専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

【伊達公子】クレーキング後継者争いの最有力はアルカラス!シフィオンテクが全仏OP連覇なるかにも注目<SMASH>

伊達公子

2023.05.26

「彼女本来のフィジカルとフットワークの強さを生かせれば」クレーでのシフィオンテクは強いと言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

「彼女本来のフィジカルとフットワークの強さを生かせれば」クレーでのシフィオンテクは強いと言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 5月28日からテニス四大大会の1つ「全仏オープン」が始まります。今年は優勝14回を誇るクレーキング、ナダルの欠場が決まっています。ナダルは「2024年がキャリア最後の年になるだろう」ともコメントしています。今年の大会は、クレーキング後継者の座を争う戦いになるでしょう。
 
 この状況で最も優勝に近く、期待も寄せられているのは世界1位のアルカラスです。元々クレーが得意ですし、絶対的な存在であることを示して欲しいと思います。

 他に勢いがあるのは、20歳で世界6位のルネですが、彼はまだグランドスラムの戦いに慣れていません。5セットで2週間を勝ち抜かなければいけないことを考えると、難しいかと思います。

 アルカラスに立ちはだかるのは、やはり3位のジョコビッチと2位のメドベージェフでしょうか。ジョコビッチは前哨戦で思い通りの結果が出せていませんが、グランドスラム優勝に向けて照準を合わせてくるでしょう。メドベージェフはクレーが苦手だと明言していますが、前哨戦のイタリア国際でクレー大会初優勝を果たしました。これは大きな自信になります。

 女子はシフィオンテクが少し抜き出ています。イタリア国際を途中棄権した太ももの状態は心配されますが、クレーは彼女が最も得意とするサーフェスです。フットワークが良く、ディフェンスが強く、攻守の切り替えもはっきりしていますし、ペース配分、スピードの強弱、展開力も際立っています。
 
 昨年は連勝街道を突き進んでいましたが、今年は2位のサバレンカや4位のルバキナという攻撃的な選手に敗れる場面もありました。シフィオンテクは時々打ちすぎることがありますが、相手のスピードに合わせず、彼女本来のフィジカルの強さとフットワークを生かし、コートを広く使う展開力を出しながら強弱のあるペース配分ができれば、パワーのある相手にでも勝ち切れると思います。特にクレーは彼女の良さが発揮されるサーフェスです。

 サバレンカもルバキナもクレーが得意という選手ではありません。ただ、彼女たちもグランドスラムに優勝した経験があります。2週間を勝ち抜くのは精神的にもタフなので、この期間にどうやってピーキングを持っていくかという点では、経験があることは大きいですね。

 特にサバレンカはムラのあるプレーが減ってきました。今年の全豪オープンに優勝したことで大きな自信を得たのだと思います。

 昨年覇者のシフィオンテクが、いかに女王の座を守るのかに注目していきましょう。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

【PHOTO】全仏オープン2022で活躍した女子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号