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国内テニス

【伊達公子】1.5万ドル大会の先にある未来のために独自のシリーズポイントを企画<SMASH>

伊達公子

2023.04.21

「プロになる道筋を描いてくれました」と、コーチや親の役割について語った伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「プロになる道筋を描いてくれました」と、コーチや親の役割について語った伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 今年、最もレベルが低い1.5万ドルのプロテニス大会をJWT50(元世界ランキング50位以内を経験した女子テニス選手の有志で構成される一般社団法人Japan Women’s Tennis Top50 Club)で6大会創設しました。

 これをどう継続していくかは、次のステップとして考えるべきことです。6大会で足りるのか足りないのか、2.5万ドルのハードコートの大会が少ないことをどうするかなど、初年度で状況を見ながら柔軟に考えていきたいと思っています。

 今年の大会に関しても、独自のシリーズポイントを設定することにしました。私が出場していた時代は、サーキットと呼ばれる、数大会のポイント合計の高い選手が、レベルが高いマスターズに出場できるようになっていました。

 JWT50のメンバーの多くもサーキットを経験しており、「あれは良かったよね」という話が出ました。私も初めてのランキングが318位になれたのは、マスターズに出場できてポイントが取れたからです。

 せっかく6大会も作れたので、合計ポイントの高い選手に上のレベルの大会のワイルドカードを与えることを調整しました。1.5万ドルの大会に6大会出場し、それをファーストステップとして、次のステップへとつなげてほしい。その先にグランドスラムがあるのです。出続けることの意味を理解し、モチベーションを上げるためにも、シリーズポイントは有効かと考えています。
 
 我々はジュニアがプロとして世界で戦えるように、色々と考えて動いていますが、ジュニアがこの情報をキャッチしなければ意味がありません。プロとして戦う以上、情報に敏感であることは必要ですが、ジュニアの国内大会やジュニアグランドスラムに集中していると、プロの大会に出ることまで考えが至らないのが現状だと思います。

 そこで重要なのはコーチや親です。私もそうでしたが、まずはコーチがプロになる道筋を描いてくれました。加えて、何のために1.5万ドル大会に出場するのかの説明も必要でしょう。ポイントを取りにいくのか、経験を積みにいくのか。

 経験するために出場しても、選手が理解していないと、プロに負けて自信を失うことにもなりかねません。出場意図が理解できていると、大会の臨み方も変わってくるでしょう。コーチと親の情報収集力と意識改革はジュニアの成長に必要な要素です。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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