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ウクライナのスビトリーナがロシア選手との握手を拒否!「祖国のために戦っている人を支援するため」<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.06.03

ロシア人選手との握手を拒否したウクライナのスビトリーナがその理由を試合後に語った。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)の女子シングルス3回戦で、ロシア人選手に勝利したウクライナの元世界3位エリーナ・スビトリーナが、慣例となっている試合後の握手を拒否して波紋を広げている。

 ただ、それは想定内の行為だった。なぜなら対戦相手のアンナ・ブリンコワとは1週間前のストラスブール国際の決勝で戦っており、その際もブリンコワがロシア人であることを理由に試合後の握手をしていなかったからだ。

 全仏での3回戦を終えたスビトリーナは記者会見で「私はウクライナ人です。祖国のために立ち上がり、今まさに最前線で私たちの土地、私たちの国のために戦っている男性や女性を支援するために可能な限りのことをしています」と改めて握手を拒否した理由について言及。そして「ロシア政府と兵士がやっていることは、本当にひどいことなのです」と怒りを口にした。
 
 昨年3月にケガと戦争による精神的な負担を理由にツアーを離脱。その後、第1子の出産を経て今年4月に復帰を果たしたスビトリーナは、テニス選手としての活動のほかウクライナの資金調達プラットフォームである『United24』のアンバサダーとしても活動。前述したストラスブール国際では2年ぶりにツアー優勝を果たしたが、獲得した賞金は全額ウクライナの子どもたちに寄付するなど、戦争によって疲弊する祖国への支援も積極的に行なっている。

 全仏オープンでは2020年以来となる3回戦突破を果たしたスビトリーナ。「この戦争において、私は自分の声を持ち、自分の立場を持っている」と語る彼女が次なる4回戦で対峙するのは、第9シードのロシア人選手ダリア・カサキナ。

 ロシアとベラルーシの全テニス選手を国際大会から追放するよう繰り返し求めているウクライナの28歳は、数日後に迎える試合の結果がどのようなものになろうと、再び"握手拒否"を繰り返す可能性が高い。

構成●スマッシュ編集部

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