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海外テニス

全仏OPで14年連続4回戦進出のジョコビッチ、観客から浴びせられるブーイングに「失礼なこと」と苦言<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.06.04

先日の政治的メッセージの一件もあってか、フランスのファンの風当たりは厳しくなっているようだ。(C)Getty images

先日の政治的メッセージの一件もあってか、フランスのファンの風当たりは厳しくなっているようだ。(C)Getty images

 現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」の男子シングルス3回戦で、第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界3位)が第29シードのアレハンドロ・ダビッドビッチフォキナ(スペイン/34位)を7-6(4)、7-6(5)、6-2のストレートで下し、14年連続となる4回戦進出を決めた。

 同大会で2度の優勝を誇るジョコビッチは、過去13年間はいずれも準々決勝以上に進出しており、今年も過酷な赤土の上で36歳という年齢を感じさせない強さを発揮している。ただ、現地のテニスファンは、強すぎる彼の活躍を見飽きているのかもしれない。この試合では、ジョコビッチに対する観客からのブーイングが話題となった。

 クレー巧者のダビドビッチフォキナに苦戦を強いられたジョコビッチは、最初の2セットを取るまでに2時間47分もの時間を要した。特に第2セットは序盤からブレークを奪い合う展開となり、タイブレークでも4-1のリードから反撃され、一時は逆転を許した。

 それでも、粘り強いストロークでラリーを制し続けたジョコビッチがセットを奪取。雄たけびと大きなガッツポーズで喜びを表現していたジョコビッチだが、観客が期待していたのはどうやら若手の下克上だったようだ。ベンチに戻っていく彼の背中にはブーイングが浴びせられた。
 
 また、直後のセット間ではジョコビッチが足の治療のためにメディカルタイムアウトを要求。この時にも盛大なブーイングが巻き起こり、これにはたまらずジョコビッチも拍手をしながら観客へ理解を促すようなジェスチャーをしていた。

 試合後の会見で、この出来事について問われたジョコビッチは「観客の大半はテニスを楽しむため、あるいはどちらかの選手を応援するために来ていると思う」としながらも、「でも一部には、僕らのやることなすことにいちいちブーイングするために来ているような人もいる」と指摘。

 そういった輩に対し、「とても失礼なことだと思うし、正直に言って理解できない」と苦言を呈したジョコビッチだが、一方で「それでもチケット代を払っているからね。それも彼らの権利だと言えるだろう」と、一定の理解を示している。

 さらに同日には、別の試合でもブーイングが巻き起こる事態が発生した。それは第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/8位)とフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/23位)の一戦で、これはフリッツが前の試合で地元選手を下していたことが理由のようだ。フリッツは入場の瞬間からブーイングでスタジアムの歓迎を受け、そのまま試合にも敗北した。

 全仏オープンのテニスファンは熱狂的なことで有名だ。ただ少々攻撃的な一面も持ち合わせている。その熱量を今回のようなネガティブな方向ではなく、ポジティブな方向に発揮してほしいものだ。

構成●スマッシュ編集部
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