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海外テニス

加藤未唯が混合ダブルスで全仏ベスト4進出!「私は最高のテニスをするつもりでコートに出た」<SMASH>

中村光佑

2023.06.06

プエッツと組んだ加藤はストレートで勝利を収め、大会初となる準決勝に進出した。(C)Getty Images

プエッツと組んだ加藤はストレートで勝利を収め、大会初となる準決勝に進出した。(C)Getty Images

 前日の失格騒動の悔しさを晴らす殊勲の勝利を挙げた。

 現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」は現地6月5日に混合ダブルス準々決勝を実施。加藤未唯/ティム・プエッツ(日本/ドイツ)がラファエル・マトス/ルイーザ・ステファニー(共にブラジル)を7-6(5)、6-2のストレートで下し、大会初となるベスト4進出を果たした。

 既報の通り加藤は、マリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)と対峙した現地4日の女子ダブルス3回戦で、自陣に落ちていたボールを相手コートに向かって軽く打ったところ、それがボールガールの頭部に直撃してしまい、第2セット途中で危険行為による失格処分を科されていた。

 まさかの結末に涙を流しながらコートを後にした加藤は、試合後に更新したツイッターで「意図的ではなかった」としつつも、ペアを組んだパートナーやファンへ向けて素直に自身の行為を謝罪。また失格処分に伴う追加制裁として「今大会の(女子ダブルスでの)獲得賞金とランキングポイントを没収されることになりました」と報告していた。

 おそらくショックは相当大きかったはずだ。それでも失格騒動から一夜明け、加藤は残る戦いに向けて自分なりに気持ちを切り替えていたようだ。1・2回戦をいずれもストレートで勝利してベスト16に駒を進めていた加藤/プエッツは、この日の準々決勝でも勝負強さを発揮する。ブレークを1つ取り合って迎えたタイブレークでは、序盤で3ポイント連取を許すもそこから見事に逆転して第1セットを先取。
 
 続く第2セットでは勢いに乗る加藤/プエッツが、第3・第7ゲームでブレークに成功。そのままリードを守り切り、1時間31分で準決勝進出を決めた。

 試合が終わると加藤の目からは思わず安堵の涙が。やはり前日の失格騒動は彼女にとっても非常につらい出来事だったのだろう。観客が大きな拍手が送る中でパートナーのプエッツが目頭を押さえながら泣く加藤の肩を抱き寄せると、再び会場からは大きな歓声と拍手が巻き起こった。

 加藤は試合後の会見で「失格の件で仲間たちからたくさんの励ましの言葉をもらった」とコメント。その励ましの言葉が何よりもうれしく、再び自分を奮い立たせてくれたと語った。

「今日、会場に着いた時、たくさんの選手が私の元にやってきて、『顔を上げて。皆あなたの味方だよ。あなたを応援しているよ』と言ってくれたのが、私にとってはとてもうれしかった。私はテニスをするためにここにいる。そして今日、私は最高のテニスをするつもりでコートに出た」

 なお勝利した加藤/プエッツは、準決勝でチャン・ハオチン/ファブリス・マルタン(台湾/フランス)と、アルディラ・スチアディ/マトウィ・ミドルコープ(インドネシア/オランダ)による準々決勝の勝者と対戦する。四大大会初の優勝も見えてきているだけに、この勢いのまま次戦でも勝利を期待したい。

文●中村光佑

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