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海外テニス

【全豪オープンテニス】穂積絵莉、加藤未唯、柴原瑛菜ら日本女子ダブルスのそれぞれの歩み<SMASH>

内田暁

2023.01.23

ダブルス中心にプレーしている二宮(左)と、単複を両立させたい穂積(右)。(C)Getty Images

ダブルス中心にプレーしている二宮(左)と、単複を両立させたい穂積(右)。(C)Getty Images

 パートナー選び、そしてシングルスとのバランス。それらは常に、多くのダブルスプレーヤーを悩ませる課題だろう。

 2023年シーズン最初のテニス四大大会となる全豪オープンには、計6名、5組の日本人女子がダブルスに参戦した。うち4組が初戦を突破し、2組が3回戦へコマを進めている。それぞれが異なる道を歩んでこの地に至り、各々の課題や想いを抱えながら。

 昨年、二宮真琴と組んでシーズンの大半を周った穂積絵莉は、今大会には、タマラ・ジダンセク(スロベニア)と組んで出場した。

 昨年の全米オープン初戦で敗れた時、穂積は「自分のテニスのベースが落ちている気がする」と口にした。

 ツアーでは3つの優勝を手にした穂積/二宮のペアだが、グランドスラムになると勝てない。その理由を穂積は、「シングルス選手とダブルスで対戦すると、ストロークやサーブなどショットの質で負けている」と目した。

 それもあり昨年終盤は、シングルスに多く出場。オフシーズンの練習も、シングルスが中心だったという。

 精神面でも、「ダブルスだけ回るのは自分に向いていない」と感じたとも言った。

「ダブルスで結果が出ていた時は、シングルスもやって、ダブルスは楽しくできていた」。それがダブルス一本となると、どこかで苦しくなってしまう……というのが、彼女の分析だ。今年はシングルスとダブルスを両立し、相乗効果を期しながらのシーズンとなる。
 
 一方の二宮は、「ダブルスには、ダブルスプレーヤーの勝ち方がある」と言った。

「相手の前衛の動きを見て、後衛からストレートやロブを上手く使う」

 それら技術や戦略性を磨けば、ダブルス一本でも十分に勝っていけるというのが、彼女の信念だ。今大会は2回戦で敗れたが、パートナーのクリスティナ・ブクサ(スペイン)との関係は良好。「また組もうね」と声を掛けられたが、ブクサはシングルスがメインのため、固定パートナーとなるかは未定だ。

 2018年には穂積と組み、全仏オープン決勝の舞台まで行った。その時は届かなかった頂点に、昇り詰めるのが今のゴール。

 同時に、「シングルスをやりたい思いは、ずっと持っている」。そのためにも、「ダブルスで大きな結果を出して、シングルスを回る余裕を作る」のが彼女の青写真だ。
 
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