海外テニス

「ミユが受けたサポートは当然だ」加藤未唯のパートナーが失格騒動に持論。衝撃的な失望から立ち直った姿に海外記者ら感嘆「ワイルドな展開だ!」

THE DIGEST編集部

2023.06.10

全仏OP混合ダブルス決勝で優勝した加藤(右)とプッツ(左)。渦中にいる日本人に海外メディアから賛辞が相次いだ。(C)REUTERS/AFLO

 テニスの四大大会「全仏オープン」は現地8日、混合ダブルス決勝が行なわれ、加藤未唯/ティム・プッツ(ドイツ)組が勝利し、大会初制覇を達成した。4日の女子ダブルスで失格の悲劇を乗り越えての栄冠となった加藤に、パートナーは「このタイトルが彼女の助けになることを願っている」と述べている。

 混合ダブルスでキャリア初のグランドスラム優勝を成し遂げた加藤。騒動のキッカケは、彼女の何気ない行動だった。

 女子ダブルス3回戦の第2セット途中、加藤が相手コートに返した球が、ボールガールに直撃して少女を泣かせてしまった。ショックを受けた彼女に加藤は歩み寄り謝罪した。主審が加藤に警告を下し、試合再開かと思いきや、対戦ペアが「彼女は泣いているじゃない!」「血が出ている。よく見てあげて」と猛抗議。最終的にレフェリーは「危険な行為だった」と裁定を覆し、加藤を失格処分。さらに賞金とポイントまで没収するペナルティを科した。

 失意を味わった加藤だが、その後プッツと組んだ混合ダブルスでファイナルに進出。涙の失格劇を乗り越え、熱戦の末に頂点に立つと世界中から祝福の声が相次いだ。試合後、コンビを組んだドイツ人プレーヤーは「思いもしない出来事が起こったが、この優勝が彼女にとって救いとなることを願っています」と言うと、「ミユが受けた多くのサポートは当然のものだ」とパートナーを思いやるコメントを残した。
 
 加藤組の勝利に海外記者も反応している。海外テニス専門メディア『Racquet Magazine』のベン・ローゼンバーグ記者はツイッターに混合ダブルスの結果を速報で伝えると、「ミユ・カトウは女子ダブルス後、数日間ありえないほど世界で最も話題となったテニスプレーヤーとなり、衝撃的な失望から見事に立ち直り、ティム・プッツとのコンビで優勝した。ワイルド!本当にワイルドな展開だ」と興奮を隠しきれない。

 ほかにも、英メディア『Daily Express』テニス専門ライターであるヤスミン・サイード氏も渦中の日本人プレーヤーに賛辞を送る。同氏はSNSに「ミユ・カトウはトーナメントの話題のひとりとなった。苦難のストーリーとして始まった全仏オープンは、なんと素晴らしい結末を迎えただろうか」と投稿。海外のあらゆるテニス情報を発信する専門番組『Tennis Weekly Podcast』は「この試合は、これまでの全仏オープンのなかで最も素晴らしいストーリーのひとつに値する」と評している。

 いまだ女子ダブルスでの失格騒動が世界中で波紋を広げるなか、加藤は試合後に自身のSNSを更新し、ボールをぶつけてしまったボールガールと笑顔で並んだ2ショット写真をアップ。「ふたたびどこかで会えることを心待ちにしています。あなたの最善をお祈りしています!」とメッセージを綴っている。

構成●THE DIGEST編集部

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