専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「非常に間違った決定で失望!」加藤未唯の訴えを却下した全仏OPに批判の嵐!”拒否姿勢”に海外テニス関係者ら憤怒

THE DIGEST編集部

2023.06.17

加藤は全仏OPの女子ダブルス失格処分の見直しを四大大会側へ提訴したが却下された。(C)AFLO

加藤は全仏OPの女子ダブルス失格処分の見直しを四大大会側へ提訴したが却下された。(C)AFLO

 ローラン・ギャロス(全仏オープン)が下した裁定に、テニス界からまたも非難が噴出している。

 テニスの四大大会「全仏オープン」女子ダブルスで加藤未唯/アルディラ・スチアディ(インドネシア)組が失格処分を受けた問題で現地6月15日、加藤は四大大会側への提訴が却下されたことを自身のSNSで明らかにした。

 騒動の発端は女子ダブルス3回戦での加藤の何気ない行動からだった。第2セット途中、相手コートに向けて加藤が返した球が、ボールガールの頭部に直撃してしまい、少女を泣かせてしまったのだ。主審はいったん加藤に警告を言い渡したが、対戦相手のマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組が食い下がり、「彼女は泣いているじゃない!」「血が出ている。よく見てあげて」と猛抗議。スーパーバイザーまでが協議に加わる異例の展開となり、その結果なんと裁定が覆り、加藤組に失格の厳罰処分が下された。

 処分を不服とした加藤は賞金とポイントの回復を求めて大会側に提訴したが、この結果は先述した通り。「ローラン・ギャロスは賞金とポイントの取得を希望した私の訴えを却下し、罰金を科しました。もう私にできるのは前を向くことだけです」と、加藤は無念の想いをツイッターに綴った。

 日本人プレーヤーの悲痛な訴えを拒否した決定に、海外のテニス関係者が続々と批判的な反応を示している。インドのスポーツ専門メディア『Sportskeeda』は訴えが却下されたリリースを受けると「凶悪な犯罪」という過激な見出しで大会側を辛辣批判。「物議を醸したミユ・カトウのポイントと賞金の訴えを拒否した全仏オープン関係者にテニス界が反発している」と報じた。
 
 まず、昨年7月まで土居美咲(2016年リオ五輪、2021年東京五輪代表)のコーチを務めたクリスチャン・ザハルカ氏は、この結果について「非常に間違った決定で、大会審判団には非常に失望した!」とSNSに怒りの声を上げる。

 ほかにも、ザハルカ氏と同じ意見を表明しているのは英スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』でテニス解説を務めるマーク・ペッチー氏だ。1990年代の英国トッププロで活躍した同氏は「あなたは全く失格に値しない」と加藤を援護。全仏オープンの対応に怒りを露わにすると「間違った判定だ」と一刀両断した。

 最終日に大会ディレクターのアメリ・モレスモ氏が記者会見に臨み、加藤の失格問題に言及するシーンがあった。同氏は「ロッカールームでは、この件に関して非常に意見が分かれていると思います」と前置きしたうえで持論を展開。「私は良いか悪いかをコメントするつもりはありません。なぜなら、判定が下った後にビデオを見るのは容易いことだからです。レフェリーとスーパーバイザーはビデオを見ずに判断した。それは明確で、グランドスラムの規定通りだったと思っています」と断言していた。

 前代未聞と言える失格処分の波紋は、まだ収まる気配がなさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終

【画像】加藤組が協議するなか、ベンチで“ほくそ笑む”ボウズコワとソリベストルモ

【関連記事】「品格に圧倒的な差がある」ボールガールを訪問した加藤未唯と“失格嘆願ペア”の違いを海外ファンが指摘!「あんなに心配したのに見舞わないの?」
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号