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錦織圭が貫録勝ちで復帰戦ベスト4へ!「2セットできれいに勝てたのはすごく評価できる点」<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.06.17

実戦の感覚を取り戻してきた錦織は、疲労はあったが盤石のテニスで準々決勝を突破した(写真は2021年のもの)。(C)Getty Images

 元世界ランク4位の錦織圭(33歳)が1年8カ月ぶりの復帰戦として挑んでいる男子テニスツアー下部大会「カリビアン・オープン」(6月12日~18日/プエルトリコ・パルマスデルマル/ハードコート/ATPチャレンジャー75)。現地16日にはシングルス準々決勝が行なわれ、錦織は世界254位のアダム・ウォルトン(オーストラリア)と対戦。6-4、6-2で快勝し、見事ベスト4進出を決めた。

 相手のウォルトンは米国テネシー大学出身の24歳。在学中の2021年にはNCAAのダブルスチャンピオンに輝き、プロ転向後もダブルスで一度チャレンジャー優勝を飾っている選手だ。

 現在の254位がキャリアハイで、錦織とは初対戦。格から言えば錦織の方が上だが、唯一不安があるとすれば、錦織は前日フルセットを戦い、「四大大会準決勝が終わったくらい疲れはきている」という点。体力面が心配されたが、蓋を開けてみればその影響はほぼ感じられず、錦織が終始ゲームを支配した。

 安定性の高いストロークに鋭いバックハンドのダウンザラインを併せ持つウォルトンに対し、錦織は落ち着いてラリーを組み立て、隙を作り出しては強打でウイナーを奪う。動きも良く、ウォルトンのコーナーを突いたボールにもしっかり追いついて逆襲し、ラリーの主導権を獲得。

 第1セット第4ゲームではネットに出てきたウォルトンの脇に正確なパスを沈めてブレークを果たす。5-3で迎えたサービングフォーザセットでブレークバックを許したが、続くゲームで攻撃のギアを上げた錦織がきっちりブレークし返し、6-4で第1セットを先取した。
 
 第2セットもラリーを優位に進める錦織。自在にボールを左右にコントロールし、ウォルトンを振り回す。第3ゲームでは錦織の鋭角なスマッシュに逆を突かれたウォルトンが右足首をひねるアクシデント。その後、治療を受けたもののウォルトンの動きがやや鈍くなったこともあり、錦織が第6、第8ゲームでブレークに成功。第2セットを6―2とし、1時間23分で勝利を手にした。

 試合後のコートサイドインタビューで「早く家に帰りたい。なかなか来ている」と疲労があったことを認めた錦織。そんな中で「勝ったことが一番大事だし、こういう(しぶとい)相手に2セットできれいに勝てたのはすごく評価できる点」と試合を振り返った。

 一方で「今日は勝ちたい意識も若干出てきた。1、2試合目は気楽にやっていたが、ちょっと気持ちの動揺というか違いが出たかなと思う」とも反省。プレーできるだけでうれしかった状況から、勝利を欲する緊張感が生まれてきたことも口にした。

 勝った錦織は現地17日(日本時間18日午前8時以降)の準決勝でグスタボ・ハイデ(ブラジル/423位)と対戦する。両者はこれが初対戦。徐々に実戦の感覚を取り戻している錦織のパフォーマンスに注目しよう。

構成●スマッシュ編集部

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