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女子テニス元世界1位で2児の母ウォズニアッキが現役復帰へ!「夢を追い求めることができるのを子どもたちに見せたい」<SMASH>

中村光佑

2023.06.30

「東レPPO」で3度優勝(写真/2017年)するなど日本でも高い人気を誇ったウォズニアッキが今夏からの現役復帰を表明した。(C)Getty Images

 2020年1月の「全豪オープン」でキャリアに別れを告げた女子テニス元世界ランキング1位のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/32歳)が、アメリカの大手ファッション雑誌『VOGUE』に寄稿。そのなかで現役復帰を正式に表明した。

「東レ パン パシフィックオープン」(東京/WTA500)における3度の優勝を含め、シングルス30勝を挙げるなどトッププレーヤーとして活躍したウォズニアッキ。最高峰の四大大会ではなかなか優勝に手が届かない状況が続いていたものの、当時27歳で出場した18年の全豪でついに悲願のグランドスラムタイトルを獲得。ところがその後はケガに悩まされたこともあり、20年の全豪をもって現役生活に終止符を打った。

 19年6月に元NBA(米プロバスケットボール)選手のデビッド・リー氏(アメリカ/40歳)と結婚し、現在は2児の母として育児に勤しむ日々を送っているウォズニアッキは「最後の試合から2年以上が経つ第2子の誕生までボールを打つことは全くなかった」と明かす。ところが最近久々にラケットを握ってボールを打ってみたところ、そこまで感覚が衰えていないことに気付き、父親からも「君はテニスを非常に楽しんでいるように見えると言われた」という。

 ちょうどその頃から頭の片隅で現役復帰を考えていたというウォズニアッキは、ある時夫のデビッド氏に「(プレーしてみると)うまい具合にボールを打てている。私はまたプレーできると思う?」と尋ねてみたところ、デビッド氏の方から「なぜ君はプレーできないと思っているの? 人生は一度きりだよ」と背中を押されたようだ。
 
 この夫の温かい言葉で復帰を決断できたと語ったウォズニアッキは、今後のプランについて8月7日から開催される「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)と同28日に開幕する2023シーズン最後の四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)への出場を予定していると明かした。なお各種海外メディアの報道によれば、ウォズニアッキは上記2つの大会で本戦ワイルドカード(主催者推薦)を獲得する見込みだと報じられている。

 そして現地6月29日に更新した自身の公式SNSでウォズニアッキは改めて現役復帰の旨を報告。同投稿では以下のように意気込みのコメントを綴っている。

「試合から離れたこの3年間で、私は家族との失われた時間を取り戻すことができました。でも、私にはまだ達成したい目標があります。年齢や役割に関係なく、夢を追い求めることができるのを子どもたちに見せたいのです。私たちは家族として、今が復帰にふさわしい時だと決断しました。私はプレーするためにコートに戻ります!」

 日々子どもの面倒を見ながら過酷なツアーを戦っていくとなれば体力的にも相当な負担がかかるだろう。それでも数々の輝かしい功績を残しているウォズニアッキなら完全復活を遂げる日はそう遠くないかもしれない。まずはモントリオール大会でどんなプレーを見せてくれるのかを楽しみにしたい。

文●中村光佑
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【画像】ウォズニアッキが子どもの写真と一緒に公開した現役復帰メッセージ