度重なるケガからの完全復活を目指している男子テニス元世界ランク4位の錦織圭(現501位)が、ATP(男子プロテニス協会)公式サイトのインタビューに登場。現在の心境を語るとともに、苦しい時期が続いていた中でモチベーションを維持できた理由を明かした。
2021年10月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)2回戦で敗退して以降、左股関節と右足首の深刻なケガにより長く戦線を離脱していた錦織。以前には「引退も考えたことがあった」と話していたが、最終的には再びコートに立ちたいという気持ちが勝り、持ち前の強靭なメンタルで懸命なリハビリに励んできた。
数々の試練を乗り越えた日本のエースに待望の瞬間がやってきたのは先月中旬のことだった。錦織は約1か月前に行なわれた男子テニスツアー下部大会「カリビアン・オープン」(プエルトリコ・パルマスデルマル/ハードコート/ATPチャレンジャー75)で1年8か月ぶりに実戦復帰。とてつもないブランクがあった中で圧巻のプレーを見せて勝ち上がり、決勝でも19歳のマイケル・ジェン(アメリカ/現558位)にストレートで勝利。見事復帰戦優勝を手にし、完全復活に向けて最高の“再スタート”を切った。
これまでも何度かケガからのカムバックを経験している錦織は「長期離脱を経て本来のプレーを取り戻すのは非常に難しい」と語る。だからこそプエルトリコの復帰戦で終始質の高いパフォーマンスができたことが信じられなかったと振り返った。
「いつも復帰後は苦戦するんだ。ケガから何度も復帰してきたけど、100パーセントの状態に戻るまで半年はかかるものだ。自信やボールを打つ感覚、動き方の感覚など、全てを失ってしまう。だから復帰戦の結果にはとても驚いた。
プエルトリコでは1試合だけプレーして、リズムをつかむだけだと思っていた。でもどういうわけか、最初の試合から良いプレーができたし、試合を重ねるごとに自信もついてきた。決勝では、かなり良いテニスができたと思う」
ちなみに錦織は離脱期間中もフレッシュな若手が続々と台頭している男子ツアーの試合を「頻繁に観戦していた」と言う。どうやら現在トップに君臨する選手たちの特徴をインプットするようにしていたようで、「彼らのプレーを見ることは良いアイデアだと思った。トップ選手がどのようにプレーしているのかを思い出すためにもね」と続けた。
600日以上もの間、公式戦のコートに立てなかったことについて錦織は、率直に「長かった」とコメント。「モチベーションを維持するのが大変だった」と付け加えつつも、現役でプレーし続けるベテラン選手の存在や有望な若手選手と戦いたいという気持ちが自分を奮い立たせてくれたと明かした。
「またテニスがしたかったし、また試合がしたかった。特にジョコビッチ(セルビア/世界ランク2位)やナダル(スペイン/同136位)がまだ戦っているのを見ていたし、アルカラス(スペイン/同1位)やルネ(デンマーク/同6位)とはまだ対戦していない。彼らと対戦するのが待ちきれない」
復帰第2戦となった先週の下部大会「クランブルック・テニス・クラシック」(アメリカ・ブルームフィールド/ハードコート)では、2回戦でデニス・クドラ(アメリカ/180位)にフルセットで敗れた錦織。刻一刻と今月末のATPツアー復帰が迫る中、今週は「シカゴ・メンズ・チャレンジャー」(7月10日~16日/アメリカ・シカゴ/ハードコート)に出場する予定だ。あくまでも自分のペースで確固たる自信をつかんでいってほしい。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ
2021年10月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)2回戦で敗退して以降、左股関節と右足首の深刻なケガにより長く戦線を離脱していた錦織。以前には「引退も考えたことがあった」と話していたが、最終的には再びコートに立ちたいという気持ちが勝り、持ち前の強靭なメンタルで懸命なリハビリに励んできた。
数々の試練を乗り越えた日本のエースに待望の瞬間がやってきたのは先月中旬のことだった。錦織は約1か月前に行なわれた男子テニスツアー下部大会「カリビアン・オープン」(プエルトリコ・パルマスデルマル/ハードコート/ATPチャレンジャー75)で1年8か月ぶりに実戦復帰。とてつもないブランクがあった中で圧巻のプレーを見せて勝ち上がり、決勝でも19歳のマイケル・ジェン(アメリカ/現558位)にストレートで勝利。見事復帰戦優勝を手にし、完全復活に向けて最高の“再スタート”を切った。
これまでも何度かケガからのカムバックを経験している錦織は「長期離脱を経て本来のプレーを取り戻すのは非常に難しい」と語る。だからこそプエルトリコの復帰戦で終始質の高いパフォーマンスができたことが信じられなかったと振り返った。
「いつも復帰後は苦戦するんだ。ケガから何度も復帰してきたけど、100パーセントの状態に戻るまで半年はかかるものだ。自信やボールを打つ感覚、動き方の感覚など、全てを失ってしまう。だから復帰戦の結果にはとても驚いた。
プエルトリコでは1試合だけプレーして、リズムをつかむだけだと思っていた。でもどういうわけか、最初の試合から良いプレーができたし、試合を重ねるごとに自信もついてきた。決勝では、かなり良いテニスができたと思う」
ちなみに錦織は離脱期間中もフレッシュな若手が続々と台頭している男子ツアーの試合を「頻繁に観戦していた」と言う。どうやら現在トップに君臨する選手たちの特徴をインプットするようにしていたようで、「彼らのプレーを見ることは良いアイデアだと思った。トップ選手がどのようにプレーしているのかを思い出すためにもね」と続けた。
600日以上もの間、公式戦のコートに立てなかったことについて錦織は、率直に「長かった」とコメント。「モチベーションを維持するのが大変だった」と付け加えつつも、現役でプレーし続けるベテラン選手の存在や有望な若手選手と戦いたいという気持ちが自分を奮い立たせてくれたと明かした。
「またテニスがしたかったし、また試合がしたかった。特にジョコビッチ(セルビア/世界ランク2位)やナダル(スペイン/同136位)がまだ戦っているのを見ていたし、アルカラス(スペイン/同1位)やルネ(デンマーク/同6位)とはまだ対戦していない。彼らと対戦するのが待ちきれない」
復帰第2戦となった先週の下部大会「クランブルック・テニス・クラシック」(アメリカ・ブルームフィールド/ハードコート)では、2回戦でデニス・クドラ(アメリカ/180位)にフルセットで敗れた錦織。刻一刻と今月末のATPツアー復帰が迫る中、今週は「シカゴ・メンズ・チャレンジャー」(7月10日~16日/アメリカ・シカゴ/ハードコート)に出場する予定だ。あくまでも自分のペースで確固たる自信をつかんでいってほしい。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ