約1年8か月の負傷離脱を経てコートに戻ってきた男子テニス元世界4位の錦織圭(現501位)。その復帰3大会目となる「シカゴ・メンズ・チャレンジャー」(7月10日~16日/アメリカ・シカゴ/ハードコート/CH75)では現地13日にシングルス2回戦を実施。錦織はアレックス・ミケルセン(アメリカ/250位)と対戦し、6-7(13)、6-3、1-6で敗れてベスト4進出を逃した。
今回顔を合わせた18歳のミケルセンは、2回戦で第2シードのアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ/120位)を下して8強入り。昨年7月のウインブルドン・ジュニアの男子ダブルスを制した新進気鋭のティーンエイジャーを相手に、経験豊富な錦織がどんなプレーを見せるのか注目が集まっていた。
1・2回戦をいずれもストレートで勝利した錦織は、この日も立ち上がりから幸先よく主導権を確保する。オープニングゲームから正確なリターンと安定感あるストロークでブレークチャンスをつかむと、続くポイントでは深さのあるショットで相手のミスを誘ってブレークに成功。第6ゲームでは2本のブレークポイントをしのぎ切り、何とかリードを保ったまま第10ゲームでサービングフォーザセットを迎える。
だがここをキープしきれずにタイブレークに突入すると、以降は互いにセットポイントを行き来する激しい展開に。あと1本が遠い錦織は13-13の場面から痛恨のミニブレークを喫し、接戦の末に1セットダウンとなる。
連戦の疲労からか徐々にフットワークが重くなる錦織は第2セットに入ってからもプレーのクオリティを上げてくるミケルセンに対して攻める形を作れず、フォアハンドのミスも増えて先にブレークを与えてしまう。それでも自分を鼓舞して踏ん張り続ける錦織は迎えた第6ゲームで徐々に相手の集中力が落ちてきたところを見逃さず。ストローク戦では左右にしっかりと打ち分けながらポイントを重ねてブレークポイントを握る。
最後は相手の高く跳ねるセカンドサービスをきっちりと返球して起死回生のブレークバックに成功。直後の第7ゲームをラブゲームでキープすると、第8ゲームでもミケルセンのサービスを破ってセットオールに持ち込む。
そのまま波に乗っていきたい錦織だったが、勝負のファイナルセットでは再びフォアが乱調気味に。得意のバックハンドも鳴りを潜め、簡単なミスを連発したことでまたしても先にリードを許す苦しい展開となる。
第5ゲームではリターンエースを連発してブレークバックのチャンスを迎えるもこれを取りこぼすと、第6ゲームではチャンスボールのミスが響いて2つ目のブレークを献上。復帰後最長となる2時間36分の激闘に敗れた。
今月下旬に開かれるアトランタ・オープン(アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)でのツアー復帰を予定している錦織。その前に「チャレンジャーで試合数を重ねていきたい」と語っていたが、先週の「クランブルック・テニス・クラシック」(アメリカ・ブルームフィールド/ハードコート/CH75)での2回戦敗退に続き、少々物足りない結果となってしまった感は否めない。
ただアトランタ大会開幕まで1週間空くだけに、休養の時間ができたとポジティブに捉えることもできる。まずは一度心身をリセットし、次戦に向けて順調に調整を進めてほしい。
文●中村光佑
【画像】2021年の全米オープンを戦う錦織圭のフォトギャラリー!
今回顔を合わせた18歳のミケルセンは、2回戦で第2シードのアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ/120位)を下して8強入り。昨年7月のウインブルドン・ジュニアの男子ダブルスを制した新進気鋭のティーンエイジャーを相手に、経験豊富な錦織がどんなプレーを見せるのか注目が集まっていた。
1・2回戦をいずれもストレートで勝利した錦織は、この日も立ち上がりから幸先よく主導権を確保する。オープニングゲームから正確なリターンと安定感あるストロークでブレークチャンスをつかむと、続くポイントでは深さのあるショットで相手のミスを誘ってブレークに成功。第6ゲームでは2本のブレークポイントをしのぎ切り、何とかリードを保ったまま第10ゲームでサービングフォーザセットを迎える。
だがここをキープしきれずにタイブレークに突入すると、以降は互いにセットポイントを行き来する激しい展開に。あと1本が遠い錦織は13-13の場面から痛恨のミニブレークを喫し、接戦の末に1セットダウンとなる。
連戦の疲労からか徐々にフットワークが重くなる錦織は第2セットに入ってからもプレーのクオリティを上げてくるミケルセンに対して攻める形を作れず、フォアハンドのミスも増えて先にブレークを与えてしまう。それでも自分を鼓舞して踏ん張り続ける錦織は迎えた第6ゲームで徐々に相手の集中力が落ちてきたところを見逃さず。ストローク戦では左右にしっかりと打ち分けながらポイントを重ねてブレークポイントを握る。
最後は相手の高く跳ねるセカンドサービスをきっちりと返球して起死回生のブレークバックに成功。直後の第7ゲームをラブゲームでキープすると、第8ゲームでもミケルセンのサービスを破ってセットオールに持ち込む。
そのまま波に乗っていきたい錦織だったが、勝負のファイナルセットでは再びフォアが乱調気味に。得意のバックハンドも鳴りを潜め、簡単なミスを連発したことでまたしても先にリードを許す苦しい展開となる。
第5ゲームではリターンエースを連発してブレークバックのチャンスを迎えるもこれを取りこぼすと、第6ゲームではチャンスボールのミスが響いて2つ目のブレークを献上。復帰後最長となる2時間36分の激闘に敗れた。
今月下旬に開かれるアトランタ・オープン(アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)でのツアー復帰を予定している錦織。その前に「チャレンジャーで試合数を重ねていきたい」と語っていたが、先週の「クランブルック・テニス・クラシック」(アメリカ・ブルームフィールド/ハードコート/CH75)での2回戦敗退に続き、少々物足りない結果となってしまった感は否めない。
ただアトランタ大会開幕まで1週間空くだけに、休養の時間ができたとポジティブに捉えることもできる。まずは一度心身をリセットし、次戦に向けて順調に調整を進めてほしい。
文●中村光佑
【画像】2021年の全米オープンを戦う錦織圭のフォトギャラリー!