ハンガリーで巻き起こった一大騒動は、いまだ終息の気配を見せていない。
事の発端は現地7月18日、ブダペストで開催されたWTAツアー「ハンガリアン・グランプリ」の女子シングルス1回戦でのハプニングだ。対戦したのは世界ランク45位の張帥(ジャン・シューアイ/中国)と同ランク548位のアマリッサ・トート(ハンガリー)。その第1セット、5-5で迎えた第11ゲームだった。
15―15からジャンの放ったフォアハンドのクロスが、クレーコートのライン際ぎりぎりを通過。最初の判定はアウトだったが、ジャンはこれに猛抗議する。あらためて審判は目視でボール痕を確かめて、アウトを宣告した。それでもジャンと彼女のチームは納得しなかったが、トートを支持する地元ファンの大ブーイングが会場に響くなか、5分後に試合は再開される。
ポイントを落としたジャンは、再度チェックを求める。するとどうしたことか、トートが先のプレーでライン際についたボールマークの元に歩み寄って、足で痕跡を消し去ってしまう。ジャンは「待って待って! マークを消さないで! どういうつもり? 何をやっているの?」と叫んだがあとの祭り。動揺したジャンはこのゲームをブレイクされて、セットカウント5-6に追い込まれた。
ベンチに戻ったジャンは呼吸を整えようと試みるが、パニック発作のような状態に陥ってしまう。みずから試合続行が不可能であることを大会側に伝え、涙の棄権を余儀なくされる。審判、トートと握手を交わしたものの、観客席に向けては、指をさしながらなにかしらの言葉を発した。
幸運な形で転がり込んできた勝利にトートは歓喜。ワイルドカードで掴んだWTAツアー初出場のデビュー戦で、初勝利を挙げたのだから当然だろう。20歳の新鋭はジャンとの握手を終えるや、派手なガッツポーズで観衆にアピールした。
世界中のファンのみならず、テニス選手仲間からもトートの振る舞いに対する非難が殺到する。ここで自国選手の擁護に回ったのが、なんと大会を主催した「ハンガリアン・グランプリ」の公式フェイスブックだった。トートに対する批判的な意見が書き込まれると、そこに返信する格好で「アマリッサがボールの良し悪しを決定したわけではない。それは線審と主審の判断である」と記し、次のように主張した。
「人生で初めてのWTAの大舞台に立ったハンガリーのテニスプレーヤーは、誠実さを欠くような行為はいっさいしていない。そこには偏向も誤解もなかった。中国人たちが操作的なビデオで世界を操っているのだ」
信じられない公式声明である。すぐさまこれは人種差別発言と受け止められ、SNS上で大炎上。大会の公式フェイスブックはすぐさま閲覧できない状態にしたが、時すでに遅しで、スクリーンショットに収められた画像が一気に拡散する。ポーランド出身の実力派プレーヤー、マグダ・リネッテはその声明画像をリツイートしながら、「私が見てきたなかで、大会が行なった最悪のレスポンスだわ」と怒りを滲ませた。
さすがの横暴ぶりに、WTA本体も黙っていなかった。公式ツイッターを更新すると、「WTAはいかなる形や文脈においても、人種差別を絶対に容認しない」と断じ、「昨日ハンガリアン・グランプリで起きた不幸な出来事と、その後の投稿については現在調査中であり、今後対処される予定だ」と宣言した。
トートは試合後に「すべては彼女(ジャン)の行動が引き起こしたこと。なぜ彼女はあんな大袈裟に騒いで、審判の判定を覆そうと必死になったのか理解できません」とコメント。一方のジャンはトートの振る舞いには言及せず、「いじめられるくらいは我慢できます。でも、自分に教養がないかのように非難されるのは耐えられない」と罵声や野次に対する不快感を示した。
ちなみにトートは現地7月20日の女子シングルス2回戦(ベスト16)でカテリナ・コズロワ(ウクライナ)と対戦し、0-2のストレート負け(3-6、1-6)を喫している。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】トートの証拠隠滅行為→ジャンが涙の棄権…ありえないハプニングの一部始終
【記事】「なぜ彼女は大袈裟に騒いだの?」ボール痕消しで物議を醸すハンガリー選手の“言い分”に中国メディアが大激怒!「恥知らずだ」
【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終
事の発端は現地7月18日、ブダペストで開催されたWTAツアー「ハンガリアン・グランプリ」の女子シングルス1回戦でのハプニングだ。対戦したのは世界ランク45位の張帥(ジャン・シューアイ/中国)と同ランク548位のアマリッサ・トート(ハンガリー)。その第1セット、5-5で迎えた第11ゲームだった。
15―15からジャンの放ったフォアハンドのクロスが、クレーコートのライン際ぎりぎりを通過。最初の判定はアウトだったが、ジャンはこれに猛抗議する。あらためて審判は目視でボール痕を確かめて、アウトを宣告した。それでもジャンと彼女のチームは納得しなかったが、トートを支持する地元ファンの大ブーイングが会場に響くなか、5分後に試合は再開される。
ポイントを落としたジャンは、再度チェックを求める。するとどうしたことか、トートが先のプレーでライン際についたボールマークの元に歩み寄って、足で痕跡を消し去ってしまう。ジャンは「待って待って! マークを消さないで! どういうつもり? 何をやっているの?」と叫んだがあとの祭り。動揺したジャンはこのゲームをブレイクされて、セットカウント5-6に追い込まれた。
ベンチに戻ったジャンは呼吸を整えようと試みるが、パニック発作のような状態に陥ってしまう。みずから試合続行が不可能であることを大会側に伝え、涙の棄権を余儀なくされる。審判、トートと握手を交わしたものの、観客席に向けては、指をさしながらなにかしらの言葉を発した。
幸運な形で転がり込んできた勝利にトートは歓喜。ワイルドカードで掴んだWTAツアー初出場のデビュー戦で、初勝利を挙げたのだから当然だろう。20歳の新鋭はジャンとの握手を終えるや、派手なガッツポーズで観衆にアピールした。
世界中のファンのみならず、テニス選手仲間からもトートの振る舞いに対する非難が殺到する。ここで自国選手の擁護に回ったのが、なんと大会を主催した「ハンガリアン・グランプリ」の公式フェイスブックだった。トートに対する批判的な意見が書き込まれると、そこに返信する格好で「アマリッサがボールの良し悪しを決定したわけではない。それは線審と主審の判断である」と記し、次のように主張した。
「人生で初めてのWTAの大舞台に立ったハンガリーのテニスプレーヤーは、誠実さを欠くような行為はいっさいしていない。そこには偏向も誤解もなかった。中国人たちが操作的なビデオで世界を操っているのだ」
信じられない公式声明である。すぐさまこれは人種差別発言と受け止められ、SNS上で大炎上。大会の公式フェイスブックはすぐさま閲覧できない状態にしたが、時すでに遅しで、スクリーンショットに収められた画像が一気に拡散する。ポーランド出身の実力派プレーヤー、マグダ・リネッテはその声明画像をリツイートしながら、「私が見てきたなかで、大会が行なった最悪のレスポンスだわ」と怒りを滲ませた。
さすがの横暴ぶりに、WTA本体も黙っていなかった。公式ツイッターを更新すると、「WTAはいかなる形や文脈においても、人種差別を絶対に容認しない」と断じ、「昨日ハンガリアン・グランプリで起きた不幸な出来事と、その後の投稿については現在調査中であり、今後対処される予定だ」と宣言した。
トートは試合後に「すべては彼女(ジャン)の行動が引き起こしたこと。なぜ彼女はあんな大袈裟に騒いで、審判の判定を覆そうと必死になったのか理解できません」とコメント。一方のジャンはトートの振る舞いには言及せず、「いじめられるくらいは我慢できます。でも、自分に教養がないかのように非難されるのは耐えられない」と罵声や野次に対する不快感を示した。
ちなみにトートは現地7月20日の女子シングルス2回戦(ベスト16)でカテリナ・コズロワ(ウクライナ)と対戦し、0-2のストレート負け(3-6、1-6)を喫している。
構成●THE DIGEST編集部
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