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海外テニス

「どの角度から見ても哀れよ」女王ナブラチロワが“ボール痕消し騒動”を一刀両断!「審判に向いてない」「トートは悪い子ね」

THE DIGEST編集部

2023.07.21

テニス界のご意見番であるナブラチロワ氏。加藤失格騒動に続いて、ハンガリーOPでの出来事にもコメントを寄せた。(C)Getty Images

テニス界のご意見番であるナブラチロワ氏。加藤失格騒動に続いて、ハンガリーOPでの出来事にもコメントを寄せた。(C)Getty Images

 テニス界に君臨した“女王”も小さくない関心を寄せた。

 ハンガリーのブダペストで開催されているのが、WTAツアーの「ハンガリアン・グランプリ」だ。現地7月18日には女子シングルス1回戦が行なわれ、世界ランク45位の張帥(ジャン・シューアイ/中国)と、地元ハンガリーの新鋭で同ランク548位のアマリッサ・トートが対戦。ハプニングはその第1セット、5-5からの第11ゲームで起こった。

 15―15からジャンがフォアハンドのクロスを打ち込む。打球は相手コートのサイドライン際をかすめたが、判定はアウト。ジャンの抗議もあって審判は近くまで歩み寄って確認したが、判定は覆らなかった。それでも、ボールのマークがラインにかかっていると信じるジャンとスタッフたちは食い下がり、スーパーバイザーも登場して押し問答が5分近くも続く。やがて対戦相手であるトートを支持する地元ファンから大ブーイングが巻き起こった。

 ひとまず試合は再開されて、ジャンは直後のポイントを落とす。再度審判にボール痕の再チェックを求めたところ、トートが先のプレーでライン際についたボールマークの元に近づき、さらっと足ではらって痕を消し去ったのだ。ジャンは「待って待って! マークを消さないで! どういうつもり? 何をやっているの?」と叫んだが及ばず。動揺したジャンはこのゲームをブレイクされて、セットカウント5-6と追い込まれる。

 ジャンはベンチに座って呼吸を整えようとするも、メンタルダメージが大きかったのか、一種のパニック状態に陥ってしまう。涙を浮かべながら試合続行が不可能だと伝え、審判とトートと握手を交わしてコートを去った。かたや、ワイルドカードによるWTA初出場で初勝利を挙げたトートは大喜び。派手なガッツポーズで会場のファンにアピールした。

 当然と言うべきか、数多のファンや女子テニス仲間などから激励のメッセージを受け取ったジャンは、その日のうちに中国版ツイッターの「ウェイボー」を更新。「練習の努力がすべて無駄になった。ライン際のぎりぎりを狙えるように練習してきたのに、ラインに触れてもアウトと判定されるなんて…」と嘆いた。

 騒動に対する波紋が広がるなか、ばっさりと私見を述べたのが、四大大会で通算18度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏だ。『ESPN』の記者のツイッターに返信する形で投稿し、「どの角度から見ても哀れね」と、ジャンのショットは確実に「イン」していたと主張。そのうえで「審判はクレーコートのゲームを判定するのに向いていないわ」と断じ、「トートは悪い子ね」と短いセンテンスで批評した。
 
 その後、大会側が公式フェイスブック上でトートを擁護する声明を発し、そのなかで「中国人たちが操作的なビデオで世界を操っている」と記してしまい、これがネット上で人種差別的ではないかと指摘されて大炎上した。

 WTAはすぐさま反応し、「我々はいかなる形や文脈においても、人種差別を絶対に容認しない。昨日ハンガリアン・グランプリで起きた不幸な出来事と、その後の投稿については現在調査中であり、今後対処される予定だ」と異例のメッセージを発する事態となった。

構成●THE DIGEST編集部

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