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海外テニス

“テニス踏み消し騒動”で物議を醸したフランス人審判がふたたび疑惑のジャッジ! だが今回は対戦相手が真逆の反応を示す展開に…

THE DIGEST編集部

2023.07.22

審判のララ氏(右上)に抗議を続けるジャン(手前)。結局「アウト判定」は覆らなかった。写真:新華社/アフロ

審判のララ氏(右上)に抗議を続けるジャン(手前)。結局「アウト判定」は覆らなかった。写真:新華社/アフロ

 現在、ブダペストで開催されているWTAツアー「ハンガリアン・グランプリ」。テニス界を揺るがした“ボール痕踏み消し騒動”の舞台となったが、その試合で審判を務めて大バッシングに晒されたフランス出身のモルガン・ララ氏が、ふたたび物議を醸す判定を下したようだ。

 同大会の女子ダブルス準々決勝、カテリナ・ボンダレンコ/レナタ・ボラコバ(ウクライナ/チェコ)組vsエレン・ペレス/ダリア・ガブリロワ(ともにオーストラリア)組の一戦だった。中国メディア『新浪体育』によると、先の女子シングルス1回戦で張帥(ジャン・シューアイ/中国)とアマリッサ・トート(ハンガリー)の間で起きた問題のシーンに酷似していたという。

 ペレスのスマッシュした球が相手コートのサイドラインぎりぎりに飛ぶ。線審は「イン」とコールしたが、ララ主審はこれを覆して「アウト」と独自のジャッジを宣告した。明らかに入っていたと確信するペレスが、これに猛然と抗議。許可を得て相手コート内に踏み込むと、ララ主審も席から降りてボール痕がどこにあるのかを確認しあうが、判定は変わらない。最終的には対戦ペアがコンシードで「イン」と認めたため、ペレス組のポイントとなった。

 トートがボール痕を踏み消したのとは真逆の展開となったが、『新浪体育』は「ジャン・シューアイの悲劇と同じ茶番が繰り返された」と断じ、「ただ今回は審判の“善意”を対戦相手が受け入れなかった」と皮肉を込めた。

 ジャンvsトート戦におけるララ審判の対応に関しては、現役テニスプレーヤーたちからも異を唱える声が殺到し、往年の名手で四大大会優勝18度を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏も、ツイッター上で「どの角度から見ても哀れね。審判はクレーコートのゲームを判定するのに向いていないわ」と評していた。
 
 ちなみにペレスは、トートの振る舞いをもっとも手厳しく糾弾した選手のひとりだった。こちらもツイッター上で「同業者から信用をなくすのには手っ取り早い方法ね。この少女のあまりにも非礼な態度にショックを受けているわ」と綴り、「明日会場で見かけたら、私がどれだけ怒っているかを彼女に伝えるつもりよ」と宣言。今回のララ氏のジャッジにもSNSで私見を述べていたが、現在その投稿は削除されている。

 なお試合はペレス組がセットカウント2-0のストレート勝ちを収め、現地23日に行なわれる準決勝に駒を進めた。

構成●THE DIGEST編集部

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