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海外テニス

ズベレフが元恋人との暴行疑惑をきっぱりと否定「この問題は弁護士が処理する。それ以上は何も言えない」<SMASH>

中村光佑

2023.07.25

ハンブルク大会の記者会見でズベレフは、「暴行疑惑を完全に否定する」と断言した。(C)Getty Images

ハンブルク大会の記者会見でズベレフは、「暴行疑惑を完全に否定する」と断言した。(C)Getty Images

 今週行なわれている男子テニスツアー「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」(7月24日~30日/ドイツ・ハンブルク/クレーコート/ATP500)に、第4シードで出場する元世界ランク2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現19位)が、大会開幕前の記者会見に登場。自身に浮上した元恋人への新たなDV(家庭内暴力)疑惑をきっぱりと否定した。

 既報の通りズベレフは、元恋人で彼の子どもの母親でもあるモデルのブレンダ・パテアさんに「身体的暴行」を加えたとして、ドイツ・ベルリンの検察当局から告発を受けている。ドイツメディア『RTL』は同当局が、ズベレフに対して「罰則命令を科す」との通達を出したとも報道。しかしそれ以降はパテアさんならびに、ズベレフ側も特にコメントを出していなかったため、事の詳細は謎に包まれたままだった。

 ドイツのタブロイド紙『Bild』によれば、仮にズベレフがベルリン検察局からの罰則命令を受け入れた場合、罰金は48万ユーロ(約7,460万円)になると伝えている。これについてドイツ全土で弁護士として活動するアーント・ケンプゲンス氏は先日応じた『RTL』の取材で、「(ベルリンの)検察当局はズベレフに重罪が科されることを想定している。またズベレフは罰金を問題なく支払うための収入や経済状況に関しても良好だ」と語っていた。
 
 いずれは新疑惑の真相が語られるだろうと予想されていた中で、ようやくズベレフが重い口を開いた。ドイツの大手通信社『DPA』によると、一連の報道に対してズベレフは、今回の会見で「暴行疑惑を完全に否定する」と真っ向から反論。だがその後は「この問題(DV疑惑)については僕の弁護士が処理する。それ以上は何も言えない」と述べるにとどめた。

 ズベレフは21年にも元恋人のオルガ・シャリポワさんからDVを告発されたことがあり、同年10月にはATP(男子プロテニス協会)が一連の報道を受けて真相究明を目的とした内部調査を開始する事態にも発展した。そして同協会は今年2月に「約1年以上にもわたって調査を行なったが、証拠が十分でないためズベレフへの処分を行なわない」と発表。その後ズベレフは自身の公式SNSを通じて、ようやく無実が証明されたことに対する喜びと感謝の言葉を綴っていた。

 新疑惑をズベレフ本人が否定したとはいえ、これにて一件落着となるとは考えにくい。再びATPや第三者機関が調査に乗り出すのか、今後の動向に注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

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