ケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現439位)が、約1年9か月ぶりのATPツアー復帰戦として臨んでいる男子テニスツアー「アトランタ・オープン」(7月24日~30日/アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)。現地7月27日にはシングルス2回戦が行なわれ、錦織は予選勝者の18歳シャン・ジュンチャン(中国/156位)と対戦。6-4、7-6(3)のストレートで勝利し、ベスト8へと駒を進めた。
今回錦織が初めて顔を合わせた18歳のシャンは、日本のファンの間でちょっとした注目を集めている。というのもシャンは現在、錦織を2010年から19年の9年間にわたって指導した経験を持つダンテ・ボッティーニ氏(アルゼンチン)に師事しているのだ。
思わぬ形で元恩師との再会を果たした錦織。ただダンテ氏に弱点を知られているのは間違いないだけに、シャンとのアジア勢対決は厳しい戦いとなることが予想されていた。
それでも試合が始まると錦織が経験の差を見せつけて着実にポイントを重ねていく。開始直後の第1ゲームでブレークのチャンスを握ると、最後は相手のセカンドサービスに対する鋭いリターンからネットプレーを決めていきなりブレークに成功。第6ゲームではストローク戦で簡単なミスが重なってブレークバックを許すも、直後の第7ゲームでは再び深いリターンから有利な形を作ってすかさず2度目のブレークを果たす。
錦織は課題のサービスでもフリーポイントを量産。少々硬さが見られるシャンに対して冷静なプレーを続け、しっかりとリードを守り切って38分で第1セットを先取する。
第2セットでは錦織が第1セット終盤から徐々に鋭さを増すシャンのショットに苦戦を強いられ、第2ゲームで先にブレークを献上してしまう。それでも続く第3ゲームでは錦織がまたしても素晴らしいリターンを連発してポイントを先行。ブレークポイントでは相手がダブルフォールトを犯して即座にイーブンに戻す。以降は両者が緊迫した攻防を繰り広げる展開に。アグレッシブなフォアと粘りのプレーを見せるシャンに対して、錦織も負けじと攻撃的なプレーでサービスキープを継続する。
そのままこのセットはタイブレークに突入。ここでは錦織が1ポイント目のストローク戦を制していきなりミニブレークを奪うと、その後はしつこく拾うディフェンスで相手のミスを誘うなど好プレーを連発。持ち前の勝負強さで粘るシャンを振り切り、1時間36分で勝利を収めた。
2021年の「シティ・オープン」(現ムバダラ・シティDCオープン/ATP500)以来実に2年ぶりとなるツアーベスト8進出を果たした錦織は試合後、WOWOWのコートサイドインタビューで終始攻めのプレーを貫いたことが勝利につながったと振り返った。
「今日は結構アグレッシブにプレーした。ストローク戦が続く長い試合になると思っていたから、自分から攻めていくようにした。結構序盤からフォアも打っていけて、時折前にも出ることができていた。今日は1回戦よりは良かったのかなと思う」
錦織の準々決勝の相手は第1シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/9位)。19年5月のイタリア国際(ATP1000)以来4年2か月ぶりに顔を合わせる両者はこれまでに3度ツアーで対戦しており、いずれも錦織がストレートで勝利している。対フリッツ4連勝を飾るとともにベスト4入りを果たせるか、次戦の錦織のプレーにも注目だ。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ
今回錦織が初めて顔を合わせた18歳のシャンは、日本のファンの間でちょっとした注目を集めている。というのもシャンは現在、錦織を2010年から19年の9年間にわたって指導した経験を持つダンテ・ボッティーニ氏(アルゼンチン)に師事しているのだ。
思わぬ形で元恩師との再会を果たした錦織。ただダンテ氏に弱点を知られているのは間違いないだけに、シャンとのアジア勢対決は厳しい戦いとなることが予想されていた。
それでも試合が始まると錦織が経験の差を見せつけて着実にポイントを重ねていく。開始直後の第1ゲームでブレークのチャンスを握ると、最後は相手のセカンドサービスに対する鋭いリターンからネットプレーを決めていきなりブレークに成功。第6ゲームではストローク戦で簡単なミスが重なってブレークバックを許すも、直後の第7ゲームでは再び深いリターンから有利な形を作ってすかさず2度目のブレークを果たす。
錦織は課題のサービスでもフリーポイントを量産。少々硬さが見られるシャンに対して冷静なプレーを続け、しっかりとリードを守り切って38分で第1セットを先取する。
第2セットでは錦織が第1セット終盤から徐々に鋭さを増すシャンのショットに苦戦を強いられ、第2ゲームで先にブレークを献上してしまう。それでも続く第3ゲームでは錦織がまたしても素晴らしいリターンを連発してポイントを先行。ブレークポイントでは相手がダブルフォールトを犯して即座にイーブンに戻す。以降は両者が緊迫した攻防を繰り広げる展開に。アグレッシブなフォアと粘りのプレーを見せるシャンに対して、錦織も負けじと攻撃的なプレーでサービスキープを継続する。
そのままこのセットはタイブレークに突入。ここでは錦織が1ポイント目のストローク戦を制していきなりミニブレークを奪うと、その後はしつこく拾うディフェンスで相手のミスを誘うなど好プレーを連発。持ち前の勝負強さで粘るシャンを振り切り、1時間36分で勝利を収めた。
2021年の「シティ・オープン」(現ムバダラ・シティDCオープン/ATP500)以来実に2年ぶりとなるツアーベスト8進出を果たした錦織は試合後、WOWOWのコートサイドインタビューで終始攻めのプレーを貫いたことが勝利につながったと振り返った。
「今日は結構アグレッシブにプレーした。ストローク戦が続く長い試合になると思っていたから、自分から攻めていくようにした。結構序盤からフォアも打っていけて、時折前にも出ることができていた。今日は1回戦よりは良かったのかなと思う」
錦織の準々決勝の相手は第1シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/9位)。19年5月のイタリア国際(ATP1000)以来4年2か月ぶりに顔を合わせる両者はこれまでに3度ツアーで対戦しており、いずれも錦織がストレートで勝利している。対フリッツ4連勝を飾るとともにベスト4入りを果たせるか、次戦の錦織のプレーにも注目だ。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ