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「これが現実」錦織圭がヒザ痛のため復帰第5戦を欠場「最初の何か月かはこういうことが起きるだろう」<SMASH>

中村光佑

2023.08.02

先週の大会では2回戦以降、左ヒザにテーピングをして戦った錦織圭。そこから「痛みがどんどんひどくなった」そうで、今週のシティOPは出場を見送った。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ムバダラ・シティDCオープン」(7月31日~8月6日/アメリカ・ワシントンD.C./ハードコート/ATP500)は現地8月1日、大会SNSを通じ、復帰5戦目として出場を予定していた元世界ランク4位の錦織圭(現353位)が左ヒザのケガにより欠場したと発表した。

 錦織は約1年9か月ぶりのATPツアー復帰戦となった先週の「アトランタ・オープン」(ATP250)でいきなりベスト8へと進出するも左ヒザを負傷。シャン・ジュンチェン(中国/現149位)との2回戦からは同箇所に大きなテーピングを施してプレーしていた。またストレート負けを喫したテイラー・フリッツ(アメリカ/現9位)との準々決勝では第1セット終了時にメディカルタイムアウトを取り、ファンの間でも心配の声が広がっていた。

 本戦ワイルドカード(主催者推薦)での参戦が確定していたワシントン大会1回戦では、ノーシードのロイド・ハリス(南アフリカ/186位)と対戦するはずだった錦織。復帰戦優勝を飾った6月中旬の「カリビアン・オープン」から順調に完全復活ロードを歩んでいることもあって、今回は無理をしない判断を下したようだ。

 ATP(男子プロテニス協会)の公式サイトには欠場が決まった錦織本人のコメントが以下のように掲載されている。
 
「先週からヒザに痛みがあった。アトランタ1回戦が終わってから、それが少し悪化した。それでももう何試合かプレーしたくて、(2回戦と準々決勝で)それができたのは良かったけど、(そこから)痛みがどんどんひどくなった。今日はプレーしようと努力したが、出場できるほど良い状態ではなく、残念ながら棄権せざるを得なかった。ここ(ワシントン大会)ではいつも良いプレーをしてきたから、とても残念。良い思い出もあるし、良い観客にも恵まれてきた。

 でもこれが現実であり、仕方がないことでもある。僕は這い上がっていかなければならない。まだ復帰したばかりだし、多くの試合をこなせるほど、身体が100%の状態じゃないのはわかっている。最初の何か月かはこういうことが起きるだろう」

 現状、錦織は予選から出場予定だった来週のマスターズ1000大会「ナショナル・バンク・オープン」(8月7日~13日/カナダ・トロント/ハードコート)で欠場者続出による本戦ダイレクトインが確定している。これについては「大きな大会が迫っているから、それに向けて備える」と意気込みを口にした。

 なお欠場した錦織の代わりに、予選決勝で敗れていた世界161位の島袋将がラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本戦入りし、早速現地1日の1回戦でハリスと対戦。見事6-4、6-3のストレートで勝利し、記念すべきツアー本戦初白星を手にした。

文●中村光佑

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