海外テニス

ホープ、ルネは20歳で世界6位になっても「今のランキングはまだ物足りない」。ナンバー1への野心を燃やす<SMASH>

中村光佑

2023.08.10

「世界6位はうれしいけど、満足はしていない」と語るルネ。ナンバー1、さらには雲の上のレジェンドたちを目標に据える。 (C)Getty Images

 男子テニス界の次代を担うニューヒーローとして注目を集めている20歳のホルガー・ルネ(デンマーク/世界ランク6位)がATP(男子プロテニス協会)公式サイトのインタビューに登場。その中で現状に満足せずさらなる高みを目指したいと意気込みを口にした。

 昨年11月のパリ大会(ATP1000)で四大大会に次ぐマスターズ初優勝を飾り、23年シーズンに入ってからも好調を維持しているルネ。今季はモンテカルロとローマのマスターズ2大会で準優勝すると、グランドスラム(四大大会)でも全仏オープンとウインブルドンで立て続けに8強入り。ここまでツアー公式戦37勝13敗と好成績を残している。

 デンマーク人男子選手として初めてとなるトップ10入りを果たすなど若くして数々の成功を収めているルネだが、「今のランキングはまだ物足りない」とさらなる野心を見せる。

「世界6位になれたのはうれしいけど、満足はしていない。それに6位で終わりたくない」と語る20歳の俊才は、現在の目標について同い年のカルロス・アルカラス(スペイン)が立つ1位の座を奪いたいと強気な発言。

「それ(1位奪取の目標)を隠すつもりはない。今は年初の10倍頑張ろうと思っている。だから順調なら全てがうまくいくだろう。このスポーツでの目標を達成するために必要なことは何でもするつもりだ」
 
 ちなみに対戦成績で1勝2敗と僅差で負け越しているアルカラスとはジュニア時代から切磋琢磨してきた旧知の仲であり、かけがえのないライバルでもある。アルカラスを含め通常なら避けたいはずであるトッププレーヤーとの対戦も心から楽しんでいるというルネは、好敵手の存在の重要性をこう説いた。

「(トップ選手がひしめく環境を)本当に楽しんでいる。そして、このスポーツにとってライバル関係が重要である理由は、それがスポーツを大きく成長させるからだと思う。さらにはスポーツへの関心も高まる。素晴らしい選手が1人しかいない場合は、その優れたプレーヤーにとってはもちろん良いことだ。でもそういった選手がたくさんいる場合と比べると、競争力は落ちる」

 最後にルネは長年男子テニス界を牽引してきた往年のレジェンドたちに敬意を表す形で「フェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)、ジョコビッチ(セルビア)、またボルグ(スウェーデン/67歳)、マッケンロー(アメリカ/64歳)が成し遂げたことは、テニスを別の次元に引き上げてくれたと思う。僕たちもそれができることを願っている」と締めくくった。

 7月下旬の「ホップマンカップ」以降、腰のケガで休養を取っていたルネは、今週開催のマスターズ1000大会「ナショナルバンク・オープン」(8月7日~13日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)でツアーに復帰。初戦となる2回戦では世界70位のマルコス・ギロン(アメリカ)と対戦する。

文●中村光佑

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