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海外テニス

負傷したベンチッチを対戦相手のクビトワが介護。心温まる光景に世界から賞賛相次ぐ<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.08.12

試合を終え抱擁するクビトワ(左)とベンチッチ(右)。勝敗を越えた友情に拍手が送られた。(C)Getty Images

試合を終え抱擁するクビトワ(左)とベンチッチ(右)。勝敗を越えた友情に拍手が送られた。(C)Getty Images

 2度のウインブルドン優勝を誇る女子テニスの元世界ランク2位、ペトラ・クビトワ(チェコ/現9位)が見せた思いやり溢れる行動に、世界から賞賛が集まっている。彼女は対戦相手のベリンダ・ベンチッチ(スイス/13位)が転倒して負傷した際、真っ先に歩み寄って介護に当たった。

 事が起きたのは、現在開催中の女子テニスツアー「ナショナルバンク・オープン」(8月7日~13日/カナダ・モントリオール/ハードコート/WTA1000)の3回戦でのこと。現地11日に行なわれた第7シードのクビトワと第12シードのベンチッチの試合は、ファイナルセットにもつれ込む激戦となった。

 その第2ゲームで、バックハンド側に振られたボールを追ったベンチッチは打球後に転倒し、左足首を激しくひねってしまう。仰向けに倒れ込み、左足首を押さえてしばらく動けなかったベンチッチ。やがて何とか立ち上がると、そこに氷を手にして歩み寄ったのがクビトワだ。

 そのままベンチッチに付き添って彼女のベンチにまで戻ると、理学療法士が到着するまでの間、クビトワはベンチッチの傍らにしゃがみ込み、負傷部分に氷を当てて介護に尽くした。2人は会話を交わし、時折クビトワがベンチッチを元気付けるような場面も見られた。
 
 その後、治療を終えたベンチッチはコートに戻り、試合は再開。やや足を気にするそぶりは見られたものの、ベンチッチがクビトワを振り切り、6-7(3)、6-3、6-1で勝利した。

 試合後、2人がネットを挟んで抱擁し合うと、スタンドは大きな拍手と歓声に包まれた。それは両者の健闘ばかりでなく、クビトワの慈悲深い行動に向けられたものであることは言うまでもない。

 一連の模様は大会の公式SNSでも紹介され、世界中から賞賛が相次いでいる。「気品にあふれた女性だ」「ペトラを好きになるしかない」「ペトラはツアーで最も素晴らしい仲間の一人」など、クビトワを称えるコメントが絶えない。

 なお、大会は雨で進行が遅れているため、この3回戦と同じ日に準々決勝も実施。ベンチッチは休憩を挟んで、リュドミラ・サムソノワ(ロシア/18位)との準々決勝のコートに立っている。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】クビトワ、ベンチッチはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた女子選手たち!
 
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