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海外テニス

アルカラスが昨年大会で敗れた相手にリベンジならずも「今日の敗戦は大きな助けになる」<SMASH>

中村光佑

2023.08.13

アルカラス(左)は、2年連続ポール(右)に敗退し、マッチ連勝記録は14でストップとなった。(C)Getty Images

アルカラス(左)は、2年連続ポール(右)に敗退し、マッチ連勝記録は14でストップとなった。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ナショナルバンク・オープン」(8月7日~13日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)は、現地11日にシングルス準々決勝を実施。センターコート第3試合に登場した第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク1位)は、第12シードのトミー・ポール(アメリカ/同14位)に3-6、6-4、3-6のフルセットで敗れ、ベスト4進出を逃した。

 昨年の同大会でも2回戦でポールに敗れていたアルカラス。それだけにこの試合はなんとしてもリベンジを成功させたいところだった。

 だが初戦(2回戦)からどこかピリッとしないプレーが続いていたアルカラスは、この日も乱調気味。中でも得意のフォアハンドで簡単なミスが重なり、サービスゲームではポールの深いリターンに苦戦を強いられた。ゲームカウント2-5とリードを許したところから1つブレークを返すも、直後の第9ゲームでは40-15から痛恨のブレークを許して第1セットを落とす。

 それでも第2セットでは、20歳の若獅子が王者の意地を見せる。股抜きのスーパーパッシングショットを決めるなど見せ場も作ったアルカラスは、第6ゲームで奪った1ブレークのリードを守り切って何とかセットオールに持ち込む。しかしファイナルセットに入ると、第6ゲームで先にブレークを許すなど再び苦しい展開に。そのまま追いつくことができずに2時間20分で力尽きた。
 
 先月のウインブルドンで殊勲の四大大会2勝目を手に入れるなど、好調を維持してきたアルカラスのマッチ連勝記録は14でストップ。試合後の会見では2年連続で後塵を拝したポールに対し、「彼は完成された選手。才能に溢れていて素晴らしいストロークも持っている。間違いなく世界最高のプレーヤーの1人だ」と称賛の言葉を送った。

 一方でアルカラスは来週出場するマスターズ1000大会「ウェスタン&サザン・オープン」(8月13日~20日/アメリカ・シンシナティ)へすぐに気持ちを切り替えたいとコメント。北米ハードシリーズの集大成となる23年シーズン最後の四大大会「全米オープン」(8月28日~9月10日/アメリカ・ニューヨーク)に向けても前向きな言葉を残した。

「今日の敗戦は(今後に向けて)大きな助けになると思う。どこが良くなかったのかを振り返ることができる。今できることは、プレーを改善するためのトレーニングだ。全米までまだ2週間ほどあるが、今はシンシナティに集中しなければならない。マスターズで大きな大会だからね。チームと話し合って、シンシナティで結果を出すためにいい準備をしなければならない。今大会で多くのことを学んだよ。

 今週はうまくいった部分もあったと思うが、全てにおいて(まだ)改善できる。たとえ最高の試合をしたとしても、常に成長の余地があると僕は思っている。多くの点で改善し、自分のプレーに自信を持たなければならない。シンシナティではベストのプレーをする必要がある」

 大会連覇が懸かる全米に向けて結果に一喜一憂してはいられないと語ったアルカラス。悔しさをバネにシンシナティでは質の高いプレーを見せてくれることを期待しよう。

文●中村光佑

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