笑うに笑えない前代未聞のハプニングが発生した。

　英放送局『beIN SPORTS』や『Tennis TV』など複数のメディアが伝えたのは、男子テニスツアー「ウエスタン＆サザン・オープン」（米オハイオ州シンシナティ）で起きた珍事だ。現地８月17日、２回戦（ラウンド・オブ32）で対戦したのはステファノス・チチパス（ギリシャ）とベン・シェルトン（米国）。その第２セット、チチパスのサービスゲームにおいてだった。
【動画】女性客がハチの音を真似してチチパスのプレーを妨害！ 前代未聞の珍事の一部始終をチェック！

　サーブを打とうとした刹那、突如として虫を追い払うような仕草をみせるチチパス。何度か繰り返すが、どうやらホンモノの虫ではないようだと気づく。静かに審判の元に歩み寄ると、チチパスは「僕の背後でハチの真似をしている客がいるんだ。サーブを打とうとすると“ブ～ン”って言うんだよ」と衝撃の告白。「それってＯＫだと思う？」と訊きなおし、すぐさまきびすを返してみずから観客席に歩を進めた。

　そこでチチパスが「誰なんだい？」と観客たちに問いかけると、後方の人物が最前列に座る女性を指さした。犯人を特定したチチパスはふたたび審判の元に戻り、「見つけたよ。こんなの僕のキャリアにおいて初めてだ。彼女が対戦相手（シェルトン）を応援しているのは分かるよ。でも僕は、彼女はここから退場すべきだと思う」と懇願した。
  　しかし審判は「ちゃんと注意するから待って」となだめるばかり。チチパスは納得できない様子で「いやいや、出て行くべきだよ」と食い下がった。再度女性客の元に足を運んだチチパスはそこでようやく本人から口頭で謝罪を受ける。結局試合はそのまま続行され、チチパスが７－６、７－６のストレート勝ちを収めた。

　驚きのやり取りに会場は騒然。『Tennis TV』は「bizzare」（滑稽な）とハチの「bee」を掛け合わせた「bee-zarre」という言葉を使いつつ、「今日起きたもっとも滑稽な出来事を観るだろう」と動画つきで紹介。『beIN SPORTS』は「あんな邪魔が入っても、チチパスは見事に勝ち切ってみせた」と、世界ランキング４位の25歳がみせた集中力を称えた。

構成●THE DIGEST編集部

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