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海外テニス

世界7位チチパスがフィリポーシス氏とのコーチ契約を再び解消「リズムが狂っているように感じた」<SMASH>

中村光佑

2023.09.01

先月にフィリポーシス氏(左)との師弟関係を復活させたばかりのチチパス(右)だが、全米敗戦後のインタビューで契約解消を発表した。(C)Getty Images

先月にフィリポーシス氏(左)との師弟関係を復活させたばかりのチチパス(右)だが、全米敗戦後のインタビューで契約解消を発表した。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルスで2回戦敗退を喫した世界ランク7位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が、元世界8位のマーク・フィリポーシス氏(オーストラリア/46歳)とのコーチ契約を再び解消すると発表した。

 昨年7月のウインブルドン3回戦で敗れた直後に、四大大会のシングルスで2度の準優勝を経験したフィリポーシス氏をチームに迎え入れたチチパスは、以降も今年1月の全豪オープンにおけるグランドスラム(四大大会)2度目の決勝進出をはじめ安定した成績を残してきた。

 5月にはフィリポーシス氏が自身のSNSを通じてチチパスとの契約解消を報告するも、先月初めには両者が「2023年シーズンの終了まで」という期限付きで再び師弟関係を結んだことが、各種海外メディアの報道で明らかに。今後は四大大会以外の公式戦でフィリポーシス氏と父親のアポストロス氏が、交代でチチパスに帯同すると伝えられていた。ちなみに今回の全米にはアポストロス氏の姿はなく、フィリポーシス氏だけが陣営席から戦況を見守っていた。

 フィリポーシス氏を再招聘してからは先月初旬のロスカボス(ATP250)で約1年2か月ぶりのツアー優勝を飾ったチチパスだったが、トロントとシンシナティのマスターズ2大会ではいずれも早期敗退を喫していた。
 
 不安を抱えたまま臨んだ今回の全米では1回戦で6月にケガからの復帰を果たした元世界3位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ/現337位)をストレートで破るも、2回戦では予選勝者のドミニク・ストリッカー(スイス/同128位)に5-7、7-6(2)、7-6(5)、6-7(6)、3-6のフルセットで敗退。第4セットでサービング・フォー・ザ・マッチを迎えたところからまさかの逆転負けを喫し、4時間4分の死闘の末に3回戦進出を逃した。

 1度も4回戦以上に進出したことがない“鬼門”の全米でまたしても早々に姿を消すこととなったチチパス。それでも試合後の会見では「チームを責めるつもりはない。結果を出すのに十分なパフォーマンスができなかっただけ。僕は前に進み続ける。改善できることを願っている」と言い訳することなく淡々と敗戦の弁を述べた。

 ところがその直後に応じた欧米スポーツメディア『Eurosport』のインタビューでチチパスは、フィリポーシス氏とのタッグが機能していないことを不満に思っていたのか、突如として「リズムが狂っているように感じた。マークとはもう終わり(関係解消の意)だ」と発言。今後のチーム体制については特にコメントしなかったが、いずれにしても今のチチパスは少々方向性を見失っている様子もうかがえる。

 とはいえどんなに強い選手でも調子の悪い時期は来るものだ。フィリポーシス氏との契約解消が奏功するかは気になるところだが、また気持ちを立て直し、本来のプレーを取り戻せることを信じたい。

文●中村光佑

【PHOTO】チチパスはじめ全米オープン2023で存在感を放つ男子トップ選手の厳選ショットを一挙公開!
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