女子テニス元世界ランク1位で昨年3月に現役を引退したアシュリー・バーティー氏(オーストラリア/27歳)が、2024年シーズンに復活する男女共催のツアー大会「ブリスベン国際」(12月31日~1月7日/オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250・WTA500)のイベントに登場。そのなかで改めて自身の現役復帰の可能性を否定した。
男子は2019年、女子は20年まで開催されていた同大会。前者は20年のATPカップ(男子団体戦/すでに廃止)の導入、後者は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に終了となり、今シーズンからは新たに男女混合の団体戦「ユナイテッドカップ」が創設された。
今年はブリスベン・パース・シドニーの3都市で開催されたユナイテッドカップだったが、著名テニスジャーナリストのジョセ・モルガド氏(ポルトガル)によれば、来年の同大会の開催地にブリスベンは含まれておらず、パースとシドニーの2都市だけで実施されることとなったという。この決定はブリスベン国際の復活に伴ったものであると思われる。
なお海外メディア『UBITENNIS』によると間もなく復活するブリスベン国際では、女子のドロー数が以前の32から48に増加される予定。一方男子は従来の28から変更はないようだ。
四大大会で2度の優勝を誇る同郷の元世界王者パトリック・ラフター氏(50歳)と共にブリスベン大会のイベントに登場したバーティー氏は、同大会の復活を受けて周囲で「母国で現役に復帰するのではないか」といった声が上がっていることについて言及。豪メディア『Sydney Morning Herald』は、バーティー氏のコメントを次のように紹介している。
「時間がない。トレーニングする時間も準備する時間もない。このブリスベンのコートには素晴らしい思い出がたくさんあるけど、今は新しい思い出を作ろうと思っている。私は引退という決断を覆すつもりはない。ラフター氏は私よりもその可能性が高いかもね(笑)」
今年7月には、自身のSNSを通じて第1子出産を発表したバーティー氏。近年の女子テニスは出産後も活躍を続けるプレーヤーが増えており、先月には2人の子供を持つ元世界女王のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が、20年全豪オープン3回戦以来実に約3年7か月ぶりとなる現役復帰を果たした。
だが引退時に「別の夢を追いたい」と語っていたバーティー氏は、現役復帰の可能性についても「世界のトップのランキングを維持するには、52週間ものスケジュールで一貫性を保つ必要がある」と否定的。今は外から女子ツアーを見守っていきたいとし、次のように締めくくった。
「それ(一貫性を保つ必要がある状況)は、女子の試合にとってエキサイティングなことだと思うし、頂点に立つチャンスがあることを知っている女子選手たちに、ハングリー精神や情熱、そして意欲を生み出す。トップ100に入る女子選手の数は、明らかに私たちが望んでいるほど多くはないけど、技術を学び、成長している女子はたくさんいる。自分がどのように適応できるか、自分がどこまで成長できるかを理解するには時間がかかる。今後 5 年、10 年で彼女たちがどこまで到達できるか楽しみにしている」
3度の四大大会優勝を含め数々の輝かしい功績を収めてきたバーティー氏からすれば、もうツアーでプレーすることに未練はないのだろう。あの正統派テニスを見られないのは何とも寂しい限りではあるが、今後の彼女のセカンドライフも幸多からんことを願うばかりだ。
文●中村光佑
【連続写真】内側にしぼる動きでパワーアップする、バーティーのバックハンドスライス
【PHOTO】バーティーはじめウインブルドン2021で活躍した女子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!
【PHOTO】プレーの合間に垣間見えるバーティーらトッププロの素顔
男子は2019年、女子は20年まで開催されていた同大会。前者は20年のATPカップ(男子団体戦/すでに廃止)の導入、後者は新型コロナウイルスの感染拡大を理由に終了となり、今シーズンからは新たに男女混合の団体戦「ユナイテッドカップ」が創設された。
今年はブリスベン・パース・シドニーの3都市で開催されたユナイテッドカップだったが、著名テニスジャーナリストのジョセ・モルガド氏(ポルトガル)によれば、来年の同大会の開催地にブリスベンは含まれておらず、パースとシドニーの2都市だけで実施されることとなったという。この決定はブリスベン国際の復活に伴ったものであると思われる。
なお海外メディア『UBITENNIS』によると間もなく復活するブリスベン国際では、女子のドロー数が以前の32から48に増加される予定。一方男子は従来の28から変更はないようだ。
四大大会で2度の優勝を誇る同郷の元世界王者パトリック・ラフター氏(50歳)と共にブリスベン大会のイベントに登場したバーティー氏は、同大会の復活を受けて周囲で「母国で現役に復帰するのではないか」といった声が上がっていることについて言及。豪メディア『Sydney Morning Herald』は、バーティー氏のコメントを次のように紹介している。
「時間がない。トレーニングする時間も準備する時間もない。このブリスベンのコートには素晴らしい思い出がたくさんあるけど、今は新しい思い出を作ろうと思っている。私は引退という決断を覆すつもりはない。ラフター氏は私よりもその可能性が高いかもね(笑)」
今年7月には、自身のSNSを通じて第1子出産を発表したバーティー氏。近年の女子テニスは出産後も活躍を続けるプレーヤーが増えており、先月には2人の子供を持つ元世界女王のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が、20年全豪オープン3回戦以来実に約3年7か月ぶりとなる現役復帰を果たした。
だが引退時に「別の夢を追いたい」と語っていたバーティー氏は、現役復帰の可能性についても「世界のトップのランキングを維持するには、52週間ものスケジュールで一貫性を保つ必要がある」と否定的。今は外から女子ツアーを見守っていきたいとし、次のように締めくくった。
「それ(一貫性を保つ必要がある状況)は、女子の試合にとってエキサイティングなことだと思うし、頂点に立つチャンスがあることを知っている女子選手たちに、ハングリー精神や情熱、そして意欲を生み出す。トップ100に入る女子選手の数は、明らかに私たちが望んでいるほど多くはないけど、技術を学び、成長している女子はたくさんいる。自分がどのように適応できるか、自分がどこまで成長できるかを理解するには時間がかかる。今後 5 年、10 年で彼女たちがどこまで到達できるか楽しみにしている」
3度の四大大会優勝を含め数々の輝かしい功績を収めてきたバーティー氏からすれば、もうツアーでプレーすることに未練はないのだろう。あの正統派テニスを見られないのは何とも寂しい限りではあるが、今後の彼女のセカンドライフも幸多からんことを願うばかりだ。
文●中村光佑
【連続写真】内側にしぼる動きでパワーアップする、バーティーのバックハンドスライス
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