男子テニス世界ランク１位のノバク・ジョコビッチ（セルビア）が欧米スポーツメディア『Eurosport』のインタビューに登場。そのなかで長年共にATPツアーをけん引してきたロジャー・フェデラー（スイス／元１位）とラファエル・ナダル（スペイン／元１位／現237位）の2人から「学んだこと」を明かした。

　先日の全米オープンで前人未到の四大大会24勝目を飾った36歳のジョコビッチは、栄光のキャリアを築いてきた中で幾度となくしのぎを削ってきたフェデラーとナダルの存在が常に自分のモチベーションの源になっていたと言う。

　２人の盟友のおかげで絶えず成長し、“史上最強のテニス選手”と称されるほどのプレーヤーになったジョコビッチは、『ESPN』のコメンテーターを務める元世界１位のジョン・マッケンロー氏によるインタビューで「僕のキャリアを形作ったのはフェデラーとナダルだ」とコメント。その中でフェデラーから学んだことについては次のように語っている。

「僕がフェデラーから学んだことの 1 つは、グランドスラム（四大大会）でベストの状態に持っていくためにスケジュールをどのように組むかということだ。彼は、効率よく戦うことや計画の立て方に関してもレベルを一段階上に引き上げた最初のプレーヤーだ。そういったところにインスピレーションを得て、チームと一緒にメモを取っていたよ。僕は彼のスケジュールの立て方から多くを学び、彼のチームのやり方を観察してきた。だから僕は彼に感謝しなければならない」
  　続けてジョコビッチは男子ツアー最多の59度の対戦を経験しているナダルについて「彼は僕の最大のライバルだと言わざるを得ない」とし、同様にナダルから学んだことを独特の表現を交えてこう明かした。

「僕がナダルから最も学んだのは、“決して死なない”、“決して諦めない”というメンタリティだ。間違いなく、我々がこれまでに見た選手の中で最も度胸のあるプレーヤーだ。彼はコート上でもロッカールームでも信じられないほどの粘り強さと闘争心を見せる。その粘り強さは選手に大きな圧を与える。それが彼と対戦する時に感じることだ。彼とプレーするとまるで闘牛場にいるような気分になる」

　フェデラーとナダルとのかけがえのないライバル関係がジョコビッチの鉄人級の強さを支えてきたのは言うまでもない。今後もジョコビッチが２人の好敵手から“学んだこと”を生かしながら活躍を続けてくれることを期待したい。

文●中村光佑

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