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海外テニス

世界5位のチチパスがテニスへの熱い思いを明かす「テニスを選んでよかったと毎日感じている」<SMASH>

中村光佑

2023.10.03

3歳の時に初めてテニスと出会ってから現在までテニスに対して真摯に取り組んできたというチチパス。(C)Getty Images

3歳の時に初めてテニスと出会ってから現在までテニスに対して真摯に取り組んできたというチチパス。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランキング5位のステファノス・チチパス(ギリシャ/25歳)が、ATP(男子プロテニス協会)が公式サイトで公開した特別動画「Love Letter To Tennis(テニスへのラブレター)」に登場。その中でこれまでのキャリアを振り返るとともに、常に抱いているテニスへの愛情を率直に明かした。

 オールラウンドなプレーと端正な顔立ちで男子テニス界のサラブレッドとして注目を集めてきたチチパスは、3歳の時に運命の出会いを果たし、プロになってからも日々自分を成長させてくれているテニスには幼少期から並々ならぬ想いを抱いていると語る。

「親愛なるテニスへ。私があなたに初めて出会ったのは 2001 年のことだった。両親のアポストロスとジュリアが僕に、今もプレーしているこの美しいスポーツを教えてくれた。テニスをとても特別に感じたのは、僕にとってそれがルールや制限から解放された広場、さらには自分の広場の一部のようなものであったと感じられたからだ。

 そして僕は8歳の時にあなたに恋をした。フランスのノルマンディーで初めて出場したテニスの大会で優勝した。真夜中に目が覚め、父を起こしてこう言ったのを覚えている。“サッカーや水泳、陸上競技など、他のスポーツから僕を遠ざけてほしい。僕はただテニスがしたい。それが自分のスポーツになる”とね」

 2017年の「ABN AMROワールドテニス」(オランダ・ロッテルダム/ATP500)でATPツアー本戦デビューを果たしたチチパスは、ジョー・ウィルフリード・ツォンガ(フランス/元5位/昨年引退)にストレート負けを喫した同大会の1回戦で「ショットの選択において慎重に考えることなど多くのことを学べた」と当時を回顧する。
 
「その時の僕は自由奔放な選手で、何のプレッシャーも受けずにプレーしていた」というチチパスは、そのツォンガとの試合が「自分を成熟したプレーヤーに変えてくれる」きっかけになったとコメント。一方でこれまでの道のりは決して平たんなものではなかったとも明かし、「難しい状況の中でつかんだ勝利もタフな敗北もあった。負けてはいけない試合に負けてその痛みと苦しみで眠れなかった夜もあった。テニスへの大きな愛と同時に、大きな憎しみも抱えてきた」と語った。

 マスターズで2度の優勝、四大大会でも2度の決勝進出を経験するなど輝かしい功績を手中に収めてきた中で「テニスは僕に人生をありのままに生きること、自分自身を決して疑わないこと、何が起こっても生き続けることを教えてくれた」と明かしたチチパスは、最後に今後に向けた意気込みをこう口にした。

「僕はとても真摯にテニスに取り組み、この旅に全力を尽くしてきた。あなたを選んで良かったと毎日感じている。これからもお互いを愛し合う関係を築いていけたらと思う。いつかは僕の子どもちがプロテニス選手としてATPツアーで戦い、僕のレガシー(遺産)を引き継いでくれることを願っている」

 素晴らしい活躍を続けているチチパスにとってもテニスというスポーツは特別な宝物なのだろう。その想いを胸に今後も男子ツアーを大いに盛り上げていってほしい。

文●中村光佑

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