現在開催中の男子テニスツアー「中国オープン」(9月28日~10月4日/中国・北京/ハードコート/ATP500)でシングルスベスト8に進出した元世界ランク2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現10位)が、2回戦勝利後のオンコートインタビューで試合終了時刻が日付を超えたことに対する不満をあらわにした。
前の試合が長引いたことにより30日の深夜0時前に始まったこの日の2回戦、アレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン/同25位)と対戦したズベレフは、タイブレークにもつれ込んだ第1セットを落としながらも、粘りのプレーで第2・3セットを連取して6-7(4)、6―2、6―1の逆転で勝利。2時間34分の熱戦の末に8強進出を決めた。2日に行なわれる準々決勝では、ニコラス・ジャリー(チリ/同23位)と対戦する。
ちなみにこの試合の終了時刻は、日付が変わった1日の午前2時40分。オンコートインタビューでは始めに「勝てて満足している」と喜びを明かしたズベレフだが、深夜帯にプレーしなければならなかったことについては以下のように不快感を示した。
「このような状況でこの試合をプレーしたことについては満足していない。午前3時近くまで試合をするのは非常に難しいことだし、そんな時間に試合をさせるなんて、大会側は正しい決断を下したとは思わない」
その上でズベレフは、大会側に対して選手の負担にならないような柔軟なスケジュールを組んでほしいと要求。試合の進行状況を踏まえて「コートを変更しても良かったのではないか」と主張し、以下のように続けた。
「僕たちの試合を開始するのに深夜0時ごろまで待たなければならなかったのがわかった段階で、別のコートでプレーすることを許可すべきだった。僕たちが極限まで力を振り絞らずにプレーできるチャンスはたくさんあったはずだ。今は休む必要がある。(つらい状況の中で)僕が頑張るのは、ATPファイナルズ(シーズン最終戦)に出場するために多くの試合に勝つ必要があるからだ」
ズベレフが不満を漏らすのも無理はない。というのも彼は昨年2月のメキシコ・オープン(メキシコ・アカプルコ/ATP500)のシングルス1回戦でもジェンソン・ブルックスビー(アメリカ/現230位)との深夜の激闘を制していたのだが、この試合が終了したのはATPツアー史上最も遅い時刻となる午前5時だった。
その約7時間後に親友のマルセロ・メロ(ブラジル)とのペアで臨んだダブルスでズベレフは、主審の不可解な判定によって怒りを爆発させ、審判台をラケットで何度も叩きつけるという暴挙に出て失格処分を受けていた。無論これは許される行為ではないが、おそらくこの時は相当な疲労により冷静さを失ってしまっていた可能性も否定はできない。こうした経験からも深夜帯の試合には敏感になってしまうのだろう。
各大会共々「プレーヤーの健康あってのトーナメント」という図式は忘れてはならない。様々な事情が絡んでいるのかもしれないが、大会側には少しでも選手に寄り添うスケジュールを組むようにしてほしいものだ。
文●中村光佑
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前の試合が長引いたことにより30日の深夜0時前に始まったこの日の2回戦、アレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン/同25位)と対戦したズベレフは、タイブレークにもつれ込んだ第1セットを落としながらも、粘りのプレーで第2・3セットを連取して6-7(4)、6―2、6―1の逆転で勝利。2時間34分の熱戦の末に8強進出を決めた。2日に行なわれる準々決勝では、ニコラス・ジャリー(チリ/同23位)と対戦する。
ちなみにこの試合の終了時刻は、日付が変わった1日の午前2時40分。オンコートインタビューでは始めに「勝てて満足している」と喜びを明かしたズベレフだが、深夜帯にプレーしなければならなかったことについては以下のように不快感を示した。
「このような状況でこの試合をプレーしたことについては満足していない。午前3時近くまで試合をするのは非常に難しいことだし、そんな時間に試合をさせるなんて、大会側は正しい決断を下したとは思わない」
その上でズベレフは、大会側に対して選手の負担にならないような柔軟なスケジュールを組んでほしいと要求。試合の進行状況を踏まえて「コートを変更しても良かったのではないか」と主張し、以下のように続けた。
「僕たちの試合を開始するのに深夜0時ごろまで待たなければならなかったのがわかった段階で、別のコートでプレーすることを許可すべきだった。僕たちが極限まで力を振り絞らずにプレーできるチャンスはたくさんあったはずだ。今は休む必要がある。(つらい状況の中で)僕が頑張るのは、ATPファイナルズ(シーズン最終戦)に出場するために多くの試合に勝つ必要があるからだ」
ズベレフが不満を漏らすのも無理はない。というのも彼は昨年2月のメキシコ・オープン(メキシコ・アカプルコ/ATP500)のシングルス1回戦でもジェンソン・ブルックスビー(アメリカ/現230位)との深夜の激闘を制していたのだが、この試合が終了したのはATPツアー史上最も遅い時刻となる午前5時だった。
その約7時間後に親友のマルセロ・メロ(ブラジル)とのペアで臨んだダブルスでズベレフは、主審の不可解な判定によって怒りを爆発させ、審判台をラケットで何度も叩きつけるという暴挙に出て失格処分を受けていた。無論これは許される行為ではないが、おそらくこの時は相当な疲労により冷静さを失ってしまっていた可能性も否定はできない。こうした経験からも深夜帯の試合には敏感になってしまうのだろう。
各大会共々「プレーヤーの健康あってのトーナメント」という図式は忘れてはならない。様々な事情が絡んでいるのかもしれないが、大会側には少しでも選手に寄り添うスケジュールを組むようにしてほしいものだ。
文●中村光佑
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