現在開催中の女子テニスツアー「中国オープン」(9月30日~10月8日/中国・北京/WTA1000)に第1シードで出場するアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/世界ランク1位)が、大会開幕前の記者会見で今秋から新たに女子ツアーで導入された「パフォーマンス・バイ(“バイ”は1回戦免除の意)」を批判した。
“パフォーマンス・バイ”とは、前週の大会で準決勝もしくは決勝などの上位ステージに進出し、すぐさまその翌週の大会に出場する選手が、十分な休養を取れるように初戦免除の権利を獲得するというものだ。この新規定は先週の「東レ パン パシフィック オープン テニス 2023」(9月25日~10月1日/東京・有明/WTA500)から採用されている。
その東レPPOでは、第4シードのマリア・サッカリ(ギリシャ/現6位)、第5シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス/現10位)が1回戦免除となった一方、第3シードのエレナ・ルバキナ(カザフスタン/現5位)がリンダ・ノスコワ(ロシア/現44位)との1回戦を戦わなければならない異例の事態が発生していた。これは東レの前週のWTA1000大会「グアダラハラ・オープン・アクロン」(メキシコ・グアダラハラ/ハードコート)で、サッカリとガルシアの2人がベスト4以上に入ったことが理由だ。
既報の通り最終的に体調不良で東京大会を欠場したルバキナは、自身がサッカリとガルシアよりもシード順位が高いにもかかわらず1回戦免除の権利を得られなかったことについて、インスタグラムのストーリーズでWTA(女子テニス協会)に批判の言葉を綴っていた。ルバキナに続く形でサバレンカも「パフォーマンス・バイについては理解できない」とし、次のように反対意見を主張した。
「パフォーマンス・バイの件は、以前メールが送られてきたから知っていたけど、私自身はそれがどのようなシステムなのか理解していなかった。既定の数よりも初戦免除が多く与えられるのだと思っていた。小さな大会で準決勝に進出したことで初戦免除を得る選手は、WTA1000の大会でもそのまま初戦免除になるということなのだろうけど、私には理解できない。初戦免除というのは自分の実力で獲得しなければならないと思う。1つの大会で良いプレーをするだけではなく、常に安定したプレーをし続けることで初戦免除という権利を得る必要がある。
初戦免除を得る選手は、それに値するプレーヤーでなければならない。だからこそ私はパフォーマンス・バイが理解できないし、同意もできない。私はそれを使って出場できる選手のことをうれしくは思うけど、(常識的に考えて)これは容認できないことだと思う。今後は同じことが起こらないことを願っている。例えば、グアダラハラの大会から今回の北京のようなWTA1000に(立て続けに)出場する場合に、そういうことが起こるなら理解はできるけど、WTA500とWTA1000に連続して出る場合は理解しがたいものになる」
安定した成績を残し続けてきたことで、ついに世界1位に上り詰めたサバレンカの言葉は重く響くものがある。今後も現役選手から反対の声が上がるようであれば規定の見直しも検討すべきだろう。
文●中村光佑
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“パフォーマンス・バイ”とは、前週の大会で準決勝もしくは決勝などの上位ステージに進出し、すぐさまその翌週の大会に出場する選手が、十分な休養を取れるように初戦免除の権利を獲得するというものだ。この新規定は先週の「東レ パン パシフィック オープン テニス 2023」(9月25日~10月1日/東京・有明/WTA500)から採用されている。
その東レPPOでは、第4シードのマリア・サッカリ(ギリシャ/現6位)、第5シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス/現10位)が1回戦免除となった一方、第3シードのエレナ・ルバキナ(カザフスタン/現5位)がリンダ・ノスコワ(ロシア/現44位)との1回戦を戦わなければならない異例の事態が発生していた。これは東レの前週のWTA1000大会「グアダラハラ・オープン・アクロン」(メキシコ・グアダラハラ/ハードコート)で、サッカリとガルシアの2人がベスト4以上に入ったことが理由だ。
既報の通り最終的に体調不良で東京大会を欠場したルバキナは、自身がサッカリとガルシアよりもシード順位が高いにもかかわらず1回戦免除の権利を得られなかったことについて、インスタグラムのストーリーズでWTA(女子テニス協会)に批判の言葉を綴っていた。ルバキナに続く形でサバレンカも「パフォーマンス・バイについては理解できない」とし、次のように反対意見を主張した。
「パフォーマンス・バイの件は、以前メールが送られてきたから知っていたけど、私自身はそれがどのようなシステムなのか理解していなかった。既定の数よりも初戦免除が多く与えられるのだと思っていた。小さな大会で準決勝に進出したことで初戦免除を得る選手は、WTA1000の大会でもそのまま初戦免除になるということなのだろうけど、私には理解できない。初戦免除というのは自分の実力で獲得しなければならないと思う。1つの大会で良いプレーをするだけではなく、常に安定したプレーをし続けることで初戦免除という権利を得る必要がある。
初戦免除を得る選手は、それに値するプレーヤーでなければならない。だからこそ私はパフォーマンス・バイが理解できないし、同意もできない。私はそれを使って出場できる選手のことをうれしくは思うけど、(常識的に考えて)これは容認できないことだと思う。今後は同じことが起こらないことを願っている。例えば、グアダラハラの大会から今回の北京のようなWTA1000に(立て続けに)出場する場合に、そういうことが起こるなら理解はできるけど、WTA500とWTA1000に連続して出る場合は理解しがたいものになる」
安定した成績を残し続けてきたことで、ついに世界1位に上り詰めたサバレンカの言葉は重く響くものがある。今後も現役選手から反対の声が上がるようであれば規定の見直しも検討すべきだろう。
文●中村光佑
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