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国内テニス

【伊達公子】選手育成と国内カレンダーをリンクさせて、子どもの観戦は無料でいい<SMASH>

伊達公子

2023.10.06

11月に開催されるBJK杯では「料金設定は不要だと感じています」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

11月に開催されるBJK杯では「料金設定は不要だと感じています」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 秋はアジアでテニスのツアー大会が複数開催されます。日本での女子の大会はWTA250グレードの「木下グループジャパンオープン」と、WTA500の「東レPPOテニス」の2大会がありました。残念ながらこの2大会に日本女子では日比野菜緒選手しか、本戦ダイレクトインできませんでした。

 偶然か必然かはわかりませんが、中国は大会のカレンダーの作り方がうまいと思います。なぜなら突然知られていない中国人選手がWTAツアーレベルに出場してくることがあったからです。つまり、WTAツアー大会に選手を送り込むために、選手にとって必要な時期に必要な大会が中国国内で開催されているのでしょう。だから、国内の大会だけでランキングを上げることができているのです。

 選手のレベルによって必要な大会は違ってきますし、それを全て網羅するのは困難です。グランドスラム(四大大会)本戦に出場できるレベルの日本女子選手がいなくなった今、日本テニス協会はどこの層をターゲットにレベルを上げていくかを絞り込んで、カレンダーを作り上げていくべきだと思います。

 例えば、日本の上位選手が出場しやすいWTA125グレードやITFのW100大会を作りポイントを取りやすくする。その開催時期は国内ツアーの前や、日本人選手が最も出場しやすい全豪オープンが開催される1月のエントリー時期に間に合うタイミングにするのです。
 
 選手の育成を考えるならば、ツアーのことを理解している人がカレンダーを作っていかないと、選手のためのスケジュールになりません。もちろん協会が全てをコントロールできるわけではありませんが、大きな変化を起こすためには必要なことでしょう。

 また、ツアーレベルの大会を協会が主催する時は、チケット収入についても考えることになります。実は近年、韓国ではテニスがすごく人気なんです。女子ツアー大会の約1万席分のチケットが発売開始から10分で完売になるそうです。そうした他国を参考にすることも大切だと思います。

 女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」が11月10日・11日に有明コロシアムで開催されますが、現状で1万人の観客が入るとは考えにくいので、私は料金設定は不要だと感じています。一律の入場料を取り、席の上半分はシートでカバーして、コート近くに人を集めるべきです。

 また、BJKカップでは子どもからはお金を取る必要はないと思っています。底辺を広げるために、テニスをしていない子どもたちが、どんどん見に来てくれるようにな方法を考えるべきでしょう。大会やターゲット層によって、チケット収入を得るべきところと、そうでないところがあってもいいのではないでしょうか。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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