男子テニスのワールドツアー「木下グループ ジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2023」(10月16日~22日/東京・有明/ハードコート/ATP500)は16日に本戦が開幕し、日本男子のトップランカー、西岡良仁(世界ランク44位)がシングルス1回戦に登場。有明コロシアムのナイトマッチで予選勝ち上がりのマルコス・ギロン(アメリカ/79位)と対戦し、6-7(14)、6-4、1-6で敗れた。
試合の山場はいきなり第1セットに訪れた。両者の持ち味が全て発揮され、ぶつかり合ったセットだった。
ギロンの最大の武器は強烈なフォアハンドで、叩けるボールは全てフルスイングで強打してくる。西岡は弾道の高いスピンやアングル、低いフラット、それで押し込んでのネットプレーやドロップショットと、技のオンパレードで多彩な攻撃を繰り出す。次に打ってくるのはどんな手か、見ている者がワクワクするような“西岡劇場”だった。
試合は両者譲らずサービスキープを続け、タイブレークへ。ここでも互いに最高のショットを繰り出し続け、簡単なミスはほとんどない。どちらかがミニブレークすればすぐにブレークバックする展開で、西岡は5本、ギロンは4本のセットポイントを握るがモノにできない。14-15でギロンが手にした5本目のセットポイント、わずかにネットをかすったボールにタイミングを狂わされた西岡のバックハンドがアウトし、ようやくギロンがこのセットを奪った。
ラケットを叩きつけて怒りを表した西岡。しかしこれで切れたわけではない。気持ちを切り替えた西岡は、第2セット第1ゲームで念願のサービスブレークを果たす。あとはガッチリとキープを続け、6-4で第2セットを奪取。77分かかった第1セットとはうってかわり、37分でセットオールに追いついた。
第3セットも西岡はクレバーにラリーを組み立て、会場の熱狂的な応援にも後押しされて、自分の流れで試合を進めていた。しかし第3、第5ゲームのギロンのサービスゲームでブレークポイントを握りながらあと1本が取れずにキープされ、自身の第4ゲームのサービスはわずかなミスが重なってブレークされる。1-4となって流れは一気にギロンに傾いた。
最後の2ゲームは、それまでほとんどなかったイージーミスが西岡に相次ぎ、集中力を欠いた失点が続いた。西岡は1-6でこのセットを落とし、万事休した。2時間44分に及ぶ激闘だった。
試合終盤にはボールをスタンドに打ち込み、ウォーニングも取られた西岡。やり切れない思いを残したまま、コートを後にした。
[16日のシングルス結果(途中まで)]
○M・マクドナルド(アメリカ)75 64 M・パーセル(オーストラリア)●
○J・トンプソン(オーストラリア)63 64 A・ズベレフ[3]●
○F・オジェ-アリアシム(カナダ)[8]76(3) 67(2) 62 A・ブキッチ(オーストラリア)●
○M・ギロン(アメリカ)[Q]76(14) 46 61 西岡良仁●
○S・オフナー(オーストリア)67(2) 76(5) 75 C・オコネル(オーストラリア)●
[16日のダブルス結果]
○N・ラモンズ/ウィズロー(アメリカ)76(2) 36 10-7 松井俊英/上杉海斗[WC]●
○島袋将/綿貫陽介[WC]64 62 N・メクティッチ/J・ピアース(クロアチア/オーストラリア)●
※[ ]内の数字はシード順位、WC=主催者推薦出場、Q=予選勝ち上がり
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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ギロンの最大の武器は強烈なフォアハンドで、叩けるボールは全てフルスイングで強打してくる。西岡は弾道の高いスピンやアングル、低いフラット、それで押し込んでのネットプレーやドロップショットと、技のオンパレードで多彩な攻撃を繰り出す。次に打ってくるのはどんな手か、見ている者がワクワクするような“西岡劇場”だった。
試合は両者譲らずサービスキープを続け、タイブレークへ。ここでも互いに最高のショットを繰り出し続け、簡単なミスはほとんどない。どちらかがミニブレークすればすぐにブレークバックする展開で、西岡は5本、ギロンは4本のセットポイントを握るがモノにできない。14-15でギロンが手にした5本目のセットポイント、わずかにネットをかすったボールにタイミングを狂わされた西岡のバックハンドがアウトし、ようやくギロンがこのセットを奪った。
ラケットを叩きつけて怒りを表した西岡。しかしこれで切れたわけではない。気持ちを切り替えた西岡は、第2セット第1ゲームで念願のサービスブレークを果たす。あとはガッチリとキープを続け、6-4で第2セットを奪取。77分かかった第1セットとはうってかわり、37分でセットオールに追いついた。
第3セットも西岡はクレバーにラリーを組み立て、会場の熱狂的な応援にも後押しされて、自分の流れで試合を進めていた。しかし第3、第5ゲームのギロンのサービスゲームでブレークポイントを握りながらあと1本が取れずにキープされ、自身の第4ゲームのサービスはわずかなミスが重なってブレークされる。1-4となって流れは一気にギロンに傾いた。
最後の2ゲームは、それまでほとんどなかったイージーミスが西岡に相次ぎ、集中力を欠いた失点が続いた。西岡は1-6でこのセットを落とし、万事休した。2時間44分に及ぶ激闘だった。
試合終盤にはボールをスタンドに打ち込み、ウォーニングも取られた西岡。やり切れない思いを残したまま、コートを後にした。
[16日のシングルス結果(途中まで)]
○M・マクドナルド(アメリカ)75 64 M・パーセル(オーストラリア)●
○J・トンプソン(オーストラリア)63 64 A・ズベレフ[3]●
○F・オジェ-アリアシム(カナダ)[8]76(3) 67(2) 62 A・ブキッチ(オーストラリア)●
○M・ギロン(アメリカ)[Q]76(14) 46 61 西岡良仁●
○S・オフナー(オーストリア)67(2) 76(5) 75 C・オコネル(オーストラリア)●
[16日のダブルス結果]
○N・ラモンズ/ウィズロー(アメリカ)76(2) 36 10-7 松井俊英/上杉海斗[WC]●
○島袋将/綿貫陽介[WC]64 62 N・メクティッチ/J・ピアース(クロアチア/オーストラリア)●
※[ ]内の数字はシード順位、WC=主催者推薦出場、Q=予選勝ち上がり
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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