海外テニス

ベレッティーニが約13年間指導を受けたコーチと契約解消「私に見果てぬ夢を見させてくれた」と感謝<SMASH>

中村光佑

2023.10.29

師弟関係に終止符を打つことになったベレッティーニとサントパドレ氏。ベレッティーニは、個人的な友情は変わらないとしている。(C)Getty Images

 現地時間10月28日、男子テニス元世界ランク6位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア)が自身の公式インスタグラム(@matberretini/現90位)を更新。ジュニア時代から苦楽を共にしてきたコーチのヴィンツェンツォ・サントパドレ氏(イタリア/元100位/52歳)との師弟関係を解消すると発表した。

 約13年にわたって師事してきたサントパドレ氏の下で7個のツアータイトルを獲得した27歳のベレッティーニ。2021年のウインブルドンではイタリア人男子として実に45年ぶりとなる四大大会決勝進出を果たし、昨年1月末には自己最高位の6位をマークした。

 しかし最近は様々な部位のケガに悩まされており、9月の全米オープンでも2回戦でアルトゥール・リンデルネック(フランス/現82位)と対戦した際に足首を負傷。以降はツアーを離脱しており、10月27日には自身のインスタグラムで一足早く今季終了を発表した。

 それから約24時間後、ベレッティーニは再び投稿したインスタグラムでサントパドレ氏とのコーチ契約解消を正式に発表。14歳の時からずっとそばで支え続けてくれたかけがえのない恩師へ向け、母語のイタリア語で以下のように心からの感謝を綴っている。
 
「私が人生で何をしたいのかまだわからなかった時に、あなたがテニスのパートナーになってくれました。あなたは、毎日地に足をつけながら、私に見果てぬ夢を見させてくれました。感謝、愛情、尊敬、賞賛、喜び、そして私たちの関係の中に存在する美しいもの…あなたに対する私の気持ちを本当に表現できるものを書き留めることはできないと思います」

「これは単なる職業上の別れであり、おそらく私たちの個人的な関係をさらに深める決断になると思います。私はこの13年間、困難な瞬間に直面した全ての瞬間においてあなたが味方でいてくれたと感じていました。多くの困難がありましたが、僕とあなたの関係性を考えると喜びしか感じられません。私は、私たちを出会わせてくれた人々に対する幸せな気持ちを抱いており、感謝しています。そして、私たちに与えられたこの贈り物をどのように生かしてきたかに誇りを持っています。あなたがいなかったとしてもマテオ・ベレッティーニは存在していたでしょうが、"ザ・ハンマー"(力強いサービスとフォアハンドにちなんだベレッティーニの愛称)は存在しなかったでしょう」

 受難続きの日々に終止符を打つべく何かを変えたかったのかもしれない。勇気を持って大きな決断を下したベレッティーニの状況が、ここから好転することを願うばかりだ。

文●中村光佑

【画像】ベレッティーニが恩師との決別を綴ったインスタグラム

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【画像】ベレッティーニが恩師との決別を綴ったインスタグラム