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深く運ぶ、滑らせる、止める…福田勝志が3種類のバックハンドスライスの打ち分け方を公開!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.12.13

福田勝志選手のバックハンドスライス。深く運びたい時は、フォロースルーを長く高めに持っていき、手首を背屈させるのがコツだという(7~8コマ目)。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は47歳で現役を続ける超人、福田勝志選手の2回目。3種類のバックハンドスライスの打ち分け方を教えてくれた。

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 スライスサービスと同様、バックハンドスライスもよく使うショットです。僕は左利きなので、基本的にはストレートにスライスを流して相手にバックを打たせることが多いですね。ただ、それだけだとワンパターンでフォアに回り込まれるので、クロスへのスライスも意識して入れるようにしています。

 以前はバックをなるべく両手で打とうとしていましたが、パワーのない僕がそうしたところで相手にダメージを与えられない。逆にスライスをクロスに送った方が、フォアの低い所で取らせることができるから、持ち上げようとして結構引っかけてくれるんです。僕はスライスの感覚はある方なので、ムキになって両手で叩くよりも、相手に嫌な打点で打たせることを重視しています。

 スライスは大別すると3種類を打ち分けています。深く運ぶのと、低く滑るのと、止まるようなスライスです。一般の愛好家は、勢いが死んで止まってしまうスライスはダメだと思いがちですが、実は有効です。自分で意図的に使えていれば、相手のタイミングを崩せるから全然ありだと思います。
 
 それぞれの打ち方のポイントですが、まず深く運ぶ時は、フォロースルーを長く高めに持っていくことです(掲載写真の7~8コマ目)。手首を背屈させる感じで振り抜くのがコツで、するとラケットヘッドが下を向かず、最後までヘッドを起こして高い位置にキープできます。

 滑らせる時は、上に持っていかず、真っすぐ前にフォロースルーします。打ちたい方向に指先をスッと伸ばしていくイメージです。スイング軌道は水平に近くなります。

 死なせるのは若干難しいですね。インパクトでは手首を少し固める感じでボールに負けないようにしますが、打った後は軽く脱力します。固めつつ、でも力をうまく逃がす…。ドロップショットのように抜きすぎるとダメなので、その中間ぐらいの抜き方が必要になります。

【プロフィール】福田勝志/ふくだかつし
1976年4月14日、京都府生まれ。168cm、60kg、左利き。同志社大学出身。28歳でプロ転向し、正確なショットと頭脳的な配球で活躍。全日本選手権に計29回出場し、47歳の今なお現役でツアーを回る国内最年長プロ。日本ランク最高9位、現在90位(12/12付)。LUCENT ATHLETE WORKS所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年6月号より再編集

【連続写真】福田勝志の深く運ぶバックハンドスライス『30コマの超分解写真』

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