2023年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は全仏オープンで起こった”大騒動”を取り上げる。
女子ダブルス3回戦で加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組を失格に追い込んだマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組。無念の失格を喫した加藤にはSNSを中心に励ましやエールが続々と届く一方で、対戦ペアにはテニス界のレジェンドから手厳しい意見が寄せられた。
記事初掲載:2023年6月7日
――◆――◆――
全仏オープンで起こった一大騒動は“女王”の心をも揺さぶったようだ。
現地6月4日に行なわれた女子ダブルス3回戦で、マリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組と加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組が対戦。その第2セットの第5ゲームで、まさかの事態が発生する。加藤が相手コート側へ軽く打ち込んだボールが、なんと相手ペアに渡そうと待機していたボールガールの頭部に直撃したのだ。
痛みや驚きで涙が止まらないボールガールに歩み寄り、謝意を示した加藤。最初は主審から加藤に警告が言い渡されたが、納得が行かないマリー・ボウズコワとサラ・ソリベストルモが執拗に抗議を続け、「わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」「血が出ているわよ。よく見てあげて」と迫った。スーパーバイザーらも協議に加わって、最終的に主審は加藤を失格処分とすると発表し、試合の中止を宣言したのである。
加藤はSNS上であらためて謝罪をしつつ、故意ではなかった点と大会側から賞金&ポイントの剥奪があった事実を明かした。選手仲間から加藤へ励ましやエールが続々と届く一方で、主審に食い下がった対戦ペアには手厳しい意見が相次いだ。「私たちは悪くない」と反発したものの、ふたりのSNSには批判のコメントが殺到。どれくらいの影響があったかは定かでないが、ペアは現地6日の準々決勝でストレート負けを喫している。
そんななか、米メディア『Sportskeeda』が伝えたのが、四大大会で通算18度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏のコメントだ。「元世界ランキング1位のナブラチロワも、ボウズコワとソリベストルの態度に失望している」と記し、女王が「まったく馬鹿げたルール解釈だわ。しかも対戦相手の失格を主張するなんて、恥でしかないわね」と糾弾する声を書き添えた。
さらにコメント欄に「2020年の全米オープンでノバク・ジョコビッチが失格になった時と同じじゃないか」と書き込んだフォロワーに対して、ナブラチロワ氏はきっぱりと私見を述べる。「ぜんぜん同じじゃないわ。分かっているでしょ? オレンジとリンゴくらい違う。カトウの打球はそんなに強いものじゃなかった」と擁護した。
翌5日の混合ダブルスで準決勝進出を果たした加藤は、失格を不服としてグランドスラムを提訴。プロテニス選手協会(PTPA)も「失格の判定は明らかに不当だった」との声明を出すなど、騒動は新たな展開をみせている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終
女子ダブルス3回戦で加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組を失格に追い込んだマリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組。無念の失格を喫した加藤にはSNSを中心に励ましやエールが続々と届く一方で、対戦ペアにはテニス界のレジェンドから手厳しい意見が寄せられた。
記事初掲載:2023年6月7日
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全仏オープンで起こった一大騒動は“女王”の心をも揺さぶったようだ。
現地6月4日に行なわれた女子ダブルス3回戦で、マリー・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組と加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組が対戦。その第2セットの第5ゲームで、まさかの事態が発生する。加藤が相手コート側へ軽く打ち込んだボールが、なんと相手ペアに渡そうと待機していたボールガールの頭部に直撃したのだ。
痛みや驚きで涙が止まらないボールガールに歩み寄り、謝意を示した加藤。最初は主審から加藤に警告が言い渡されたが、納得が行かないマリー・ボウズコワとサラ・ソリベストルモが執拗に抗議を続け、「わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」「血が出ているわよ。よく見てあげて」と迫った。スーパーバイザーらも協議に加わって、最終的に主審は加藤を失格処分とすると発表し、試合の中止を宣言したのである。
加藤はSNS上であらためて謝罪をしつつ、故意ではなかった点と大会側から賞金&ポイントの剥奪があった事実を明かした。選手仲間から加藤へ励ましやエールが続々と届く一方で、主審に食い下がった対戦ペアには手厳しい意見が相次いだ。「私たちは悪くない」と反発したものの、ふたりのSNSには批判のコメントが殺到。どれくらいの影響があったかは定かでないが、ペアは現地6日の準々決勝でストレート負けを喫している。
そんななか、米メディア『Sportskeeda』が伝えたのが、四大大会で通算18度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏のコメントだ。「元世界ランキング1位のナブラチロワも、ボウズコワとソリベストルの態度に失望している」と記し、女王が「まったく馬鹿げたルール解釈だわ。しかも対戦相手の失格を主張するなんて、恥でしかないわね」と糾弾する声を書き添えた。
さらにコメント欄に「2020年の全米オープンでノバク・ジョコビッチが失格になった時と同じじゃないか」と書き込んだフォロワーに対して、ナブラチロワ氏はきっぱりと私見を述べる。「ぜんぜん同じじゃないわ。分かっているでしょ? オレンジとリンゴくらい違う。カトウの打球はそんなに強いものじゃなかった」と擁護した。
翌5日の混合ダブルスで準決勝進出を果たした加藤は、失格を不服としてグランドスラムを提訴。プロテニス選手協会(PTPA)も「失格の判定は明らかに不当だった」との声明を出すなど、騒動は新たな展開をみせている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終
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