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海外テニス

元世界2位のルードが、芝シーズン中のコンサート鑑賞を批判され反論!「僕らにもテニス以外の生活はあるんだ」<SMASH>

中村光佑

2023.12.21

ぶっつけ本番のウインブルドンで早期敗退したことを、コンサート鑑賞と結び付けて批判されたルード。堂々と反論してみせた。(C)Getty Images

ぶっつけ本番のウインブルドンで早期敗退したことを、コンサート鑑賞と結び付けて批判されたルード。堂々と反論してみせた。(C)Getty Images

 2023年シーズンは6月の全仏オープンで四大大会3度目の決勝進出を果たし、4月のエストリル・オープン(ATP250)では節目のツアー10勝目を飾った男子テニス元世界2位のキャスパー・ルード(ノルウェー/現11位/24歳)。先週、エキジビションマッチの「アルティメット・テニス・ショーダウン(UTS)」(イギリス・ロンドン/ハードコート)に参加した彼は、そこでのインタビューで半年ほど前にファンから思わぬ批判を浴びたことを明かしている。

 ルードは四大大会初優勝を逃した全仏の閉幕後に、スウェーデン・ストックホルムで開催されたカナダ出身の男性シンガーソングライター「The Weekend」のコンサートを鑑賞。YouTube等のメディアで公開された同コンサートの映像には、ルードが曲のリズムに乗りながら高らかに歌い上げる様子が収められており、試合でもなかなか見られない彼の意外な一面を見たファンからは驚きの声が相次いだ。

 過酷なツアーを戦い続けるトップ選手のどこか微笑ましい貴重なシーンが垣間見えたにもかかわらず、なぜルードは批判を浴びたのか? それにはコンサートが開かれた6月23日という日付が関係している。そのおよそ2週間後の四大大会「ウインブルドン」(7月3日~16日/イギリス・ロンドン/芝)に向け、各選手が芝の大会にこぞって参加していた時期だったからだ。

 一方、クレーシーズンでの活躍により世界4位をキープしていたルードは、2年連続の準優勝に終わった全仏の直後に休息を取り、ウインブルドンにはぶっつけ本番で臨んだ。初戦を突破したルードだったが、2回戦でははるかに格下のリアム・ブローディー(イギリス/大会時142位)に4-6、6-3、6-4、3-6、0-6で敗退。この結果を受け、自身が大の苦手とするサーフェスで実戦感覚を養おうとしなかったルードに「芝シーズンを軽視しているのではないか」との非難の声が上がったという。
 
 それでもルードは自身がファンと公言しているThe Weekendのライブを楽しんだことには満足しているようで、休養を取るという選択も間違っていなかったと考えている。インタビューでは理不尽な批判を寄せてきた人々に対し、次のように反論した。

「The Weekendのコンサートに行ったことで僕を批判するなら、それはその人たちがとても退屈な人生を送っているということだ。コンサートに行くのは素晴らしいことで、アドレナリンも湧いてくる。ビデオを見るのと生で見るのは違う。人々は僕が芝シーズンを真剣に考えていたかどうか疑問に思うかもしれないが、そもそもあのライブは夜の10時だったし、僕らにだってテニス以外の生活はあるんだ」

 おそらくファンからの批判はルードに苦手サーフェスを克服してほしいという願いの表れだったのかもしれない。ただそもそも芝シーズンは非常に短いこともあり、しばしの気分転換に充てたかったというルードの主張も理解できる。今回の一件はちょっとした“考え方の違い”が引き起こしたものだったのだろう。

文●中村光佑

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