大坂なおみの戦線復帰を「女子テニス界にとって最高のニュース」と捉えているのは、元女王セレナ・ウィリアムズの指導経験を持つパトリック・ムラトグル氏である。その理由について同氏は「女子テニス界にはスーパースターの存在が求められているからだ」と力を込める。

　昨年９月に開催された「東レ パン パシフィック オープンテニス」を最後にツアーから離脱し、今年７月に第一子となるシャイちゃんを出産した大坂。一時はメンタルヘルスの問題などもありテニスに対する情熱を失いかけていた時もあったが、現在は愛娘シャイちゃんの存在が大きなエネルギーとなり「（今までは）ちょっとした休憩時間でした。さあ、定期的にスケジュールされたプログラムに戻りましょう」と思えるようになった。

　ムラトグル氏はテニスメディア『EURO SPORTS』の取材に対して、「セレナ（ウィリアムズ）、ビーナス（ウィリアムズ）、（マリア）シャラポワの３人は本当に偉大なスターだった。そのような選手がいれば女子テニスに多くの注目が集まる。だから私はツアーにナオミ（大坂）が戻ってくることを非常に楽しみにしている。彼女もまた偉大なスターの一人だからだ」と語る。
 
　ムラトグル氏は、大坂が現在女子世界ランキングのトップ３である、イガ・シフィオンテク（１位／ポーランド）、アリーナ・サバレンカ（２位／ベラルーシ）、ココ・ガウフ（３位／アメリカ）と対戦したとしても、「ある程度ダメージを与えることができる」と考えている。

「ナオミは素晴らしい考え方、強い意志、そして優れたショットを持っている。彼女は全豪オープンに向けて準備を整えている。今の彼女に足りないのは試合だけで、それもすぐに克服して（トップ選手と渡り合える）競争力を発揮するようになるはずだ」

　大坂の新たな挑戦は、12月31日に開幕する「ブリスベン国際」（オーストラリア・ブリスベン／WTA500）から始まり全豪オープンへと続く。大坂が最も得意とするハードコートを舞台に、果たしてムラトグル氏が期待するようなパフォーマンスを披露することができるのか。約１年３か月ぶりとなる戦いに多くのテニスファンが注目している。

構成●スマッシュ編集部

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