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海外テニス

「彼にはもう少し時間が必要だ」復帰間近のナダルと練習試合をした元世界7位ガスケが現状を語る<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.12.22

ナダル(右)と一緒に3時間に及ぶ練習をこなしたガスケ(左)が戦線復帰を控える元ライバルの現状について明かした(写真は2022年全米OP)。(C)Getty Images

ナダル(右)と一緒に3時間に及ぶ練習をこなしたガスケ(左)が戦線復帰を控える元ライバルの現状について明かした(写真は2022年全米OP)。(C)Getty Images

 2024年シーズンからの戦列復帰を予定している男子テニス元世界1位のラファエル・ナダル(スペイン/現666位)が、同じ37歳のフランス人選手、リシャール・ガスケ(現76位)とスペインのマヨルカ島で一緒に練習を行なった。

 ナダルは今年1月の「全豪オープン」2回戦を最後に左股関節の負傷でツアーを離脱。一進一退だった回復プロセスを経て、ようやく10月に本格的なコート練習を再開し、目下、マナコールにあるラファ・ナダル・テニスアカデミーで強度の高い練習をこなしている。

 世界ランキングは666位まで落ちているが、新シーズン開幕戦の「ブリスベン国際」(23年12月31日~24年1月7日/オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250)にワイルドカードで参戦予定だ。

 一方のガスケは、37歳となった現在もツアー随一の片手バックハンドを武器に、2023年は1月の「ASBクラシック」(ニュージーランド・オークランド/ATP250)で16個目のタイトルを獲得。幸先の良いスタートの後はコンスタントに勝利を重ねたわけではなかったものの、フランス「新四銃士」の片鱗を随所に見せたシーズンだった。そんな彼が来シーズンへ向けたトレーニングの場に選んだのがナダルのアカデミーだ。
 
 復帰途上の元世界1位と練習を共にしたガスケは、フランス紙『レキップ』の取材に対して次のように語っている。

「3時間15分のトレーニングだった。ナダルのインテンシティはとても高かった。もちろん、彼にはもう少し時間が必要だ。でも、彼はすでにとてもいいプレーをしている。いずれにしても、3セットとてもいいプレーができた。そのうち2セットは僕が勝ったよ」

 共にジュニア時代から将来を嘱望され、鎬を削ってきた同じ年の2人。新シーズンの開幕を間近に控える時期だけに、ガスケが振り返った通り高い強度で良い練習ができたのだろう。

 では、2セット失ったというナダルの状態は? 実はツアーレベルでの2人の対戦成績は、ナダルが18勝0敗と大きく水を開けている。しかも、ただの0敗ではなく、失ったセットはたったの4つだけ。その試合は、04年「エストリル」(ポルトガル/6-3、3-6、6-2)、05年「モンテカルロ」(モナコ/6-7(6)、6-4、6-3)、07年「テニス・マスターズ・カップ」(中国/3-6、6-3、6-4)、08年「ロジャース・カップ」(カナダ/6-7(12)、 6-2、6-1)となる。

 いずれも15年以上も前の対戦で、08年の「ロジャース・カップ」以降は、直近の22年「全米オープン」まで、ガスケは13試合で1セットも奪うことができなかった。そう考えると、ナダルの現状は「もう少し時間が必要だ」というガスケの言葉がよく表しているのかもしれない。
 
 とはいえ、新シーズンの開幕まではまだ時間がある。鉄人ナダルがどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。

構成●スマッシュ編集部

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