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海外テニス

20歳にしてケガを繰り返すアルカラス。“フィジカルの弱さ”の原因は「モチベーションの低下」とベッカー氏が持論<SMASH>

中村光佑

2023.12.25

アルカラス(左)がケガに苦しむ原因を、元世界ランク1位ベッカー氏(右)が自らの現役時代の経験を踏まえながら語った。(C)Getty Images

アルカラス(左)がケガに苦しむ原因を、元世界ランク1位ベッカー氏(右)が自らの現役時代の経験を踏まえながら語った。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク1位のボリス・ベッカー氏(ドイツ/56歳)が、欧米スポーツメディア『Eurosport』のポッドキャストに出演。そのなかで20歳にしてすさまじい活躍を続ける世界2位のカルロス・アルカラス(スペイン)の“フィジカルの弱さ”について言及し、「モチベーションの低下が一因となっているのではないか」との考えを口にした。

 2018年のプロ転向から順調に成長を遂げ、すでに12度のツアー優勝を挙げているアルカラス。だがその代償は大きいのか、まだ長期離脱こそないものの20歳の若さでケガを繰り返しており、一例を挙げると23年1月の全豪オープンは右脚の故障で出場を辞退。また6月の全仏オープンにおいては、序盤からタイトな展開となったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)との準決勝で、第3セット途中に全身ケイレンに襲われ、3-6、7-5、1-6、1-6で初の決勝進出を逃した。

 そんなアルカラスがフィジカル面で苦しむ原因について、1985年に男子選手史上最年少の17歳でウインブルドンを制すなど、早くから天才プレーヤーとして名を馳せたベッカー氏は、「大きな成功を収めていることによるモチベーションの低下が関係しているかもしれない」と興味深い考察を述べている。同氏は自身の現役時代の経験を踏まえつつ、こう続けた。
 
「私の感覚では、モチベーションが下がると身体に負担が掛かるということが常にあった。トレーニングセッションをいくつか休むとケガをしたり、身体の不調に苦しむ可能性がはるかに高くなったりする。それが20歳の時に私に起こったことなのだが、カルロスにも同じことが起こっているのではないかと思う」

 そう語りながらもベッカー氏は若くしてトッププレーヤーと互角に張り合い、数多くの試合を重ねているアルカラスが、身体の問題を抱えてしまうのも無理はないと強調する。一方で同氏はコーチで元世界1位のホアン・カルロス・フェレーロ氏(スペイン/43歳)をはじめとしたチームメンバーが、いち早くアルカラスの“ケガ防止策”を見出すことを期待していると語った。

「あれほど成功した若手選手にそういうことが起こるのは当然のことだと思うし、過去にも誰もが経験したことでもある。フェレーロも1年を通してカルロスを最高の状態に保つのには困難を伴うことはわかっているだろうが、あの2人ならそれを修正できると信じているし、チーム全体がすでにケガ防止策に取り組んでいると確信している」

 アルカラスのさらなる活躍は、やはりフィジカルをどれだけ強化できるかに懸かっているかもしれない。課題克服へ向け、良いオフシーズンを過ごしてほしいものだ。

文●中村光佑

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