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テニス国別対抗戦で活躍したデミノーが初のトップ10入り!ジョコビッチ、ズベレフ、フリッツら上位陣を撃破<SMASH>

中村光佑

2024.01.07

「ユナイテッド・カップ」(写真)で活躍した豪州期待のデミノーが念願のトップ10入りを決めた。(C)Getty Images

 大詰めを迎えている男女混合のテニス国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」(12月29日~1月7日/オーストラリア・パース、シドニー/ハードコート)は、現地1月6日にオーストラリアとドイツによる準決勝を実施。第2試合の男子シングルスに登場した世界ランキング12位のアレックス・デミノー(オーストラリア)が、同7位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を5-7、6-3、6-4の逆転で下し、キャリア初のトップ10入りを確定させた。

 23年2月のアカプルコ大会でATP500カテゴリーでの初タイトルを獲得するなど飛躍を遂げ、10月にはキャリアハイの同11位をマークしたデミノー。最大で500ポイントを獲得できる今回のユナイテッド・カップで素晴らしいプレーを見せた24歳は、年明け早々に"念願の目標"を達成することになった。

 デミノーの快進撃は1日に行なわれたアメリカ(前年優勝国)とのグループリーグ第2戦から始まった。世界10位のテイラー・フリッツに6-4、6-2で快勝すると、3日のセルビアとの準々決勝では、世界王者のノバク・ジョコビッチとのエース対決にも6-4、6-4のストレートで勝利。持ち前の強靭なフットワークとアグレッシブなテニスで格上のプレーヤーを立て続けに撃破した。
 
 そして迎えた6日のドイツ戦、第2試合の男子シングルスに登場したデミノーは過去1勝5敗と分の悪いズベレフと対戦。この日も立ち上がりから強烈なサービスを軸に試合をコントロールするズベレフに攻撃の糸口をつかめず、終盤の第11ゲームで痛恨のブレークを献上。接戦の末に第1セットを落としてしまう。

 それでも第2セットに入るとデミノーが母国ファンの大声援を背に咆哮を上げる。ネットプレーを交えた精度の高い攻撃でズベレフに対抗し、互角の勝負を展開。第8ゲームでフォアハンドのウィナーを決めて値千金のブレークを果たし、そのリードを守り切ってセットオールとした。

 これで勢いに乗ったデミノーは、勝負のファイナルセットでも第1ゲームでいきなりブレークに成功。終始流れを手放さなかったデミノーが2時間40分の死闘をものにした。

 今大会で対トップ10選手3連勝を飾って最大の目標を成し遂げたオーストラリアテニス界の次期エースは、次のように簡潔に喜びを語った。「これは僕が一生懸命努力してきた成果で、新たなマイルストーンだ」

 一方でデミノーは新シーズンが始まったばかりであることを踏まえ、「仕事はまだ終わっていない」と気を引き締めている。来週開幕する四大大会「全豪オープン」(1月14日~28日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)でも地元ファンの前でもっと良いプレーを見せたいとし、「今年のオーストラリアの夏は楽しむつもりだ。それは間違いない」と力を込めた。

 なお、デミノーの健闘もむなしくオーストラリアはドイツに1勝2敗(2敗は女子単と混合複)となり敗退。惜しくも大会初の決勝進出を逃した。

文●中村光佑

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