海外テニス

全豪ベスト4進出のシナーが懸念される腹筋の状態を説明「痛みは消えて、もう気にならない」と明言!<SMASH>

中村光佑

2024.01.24

ルブレフを下して全豪4強入りしたシナー。試合中に腹筋を気にする場面が見られたが、「体調は良好」と語り、ダメージを否定した。(C)Getty Images

 いよいよ佳境を迎えているシーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」。現地1月23日には男子シングルス準々決勝が行なわれ、第4シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク4位)が第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同5位)に6-4、7-6(5)、6-3で勝利。自身初の同大会ベスト4進出を決めた。

 今大会は初戦から1セットも落とさずに素晴らしい勝ち上がりを見せている22歳のシナー。この日もその勢いが衰えることはなかった。序盤からテンポの速いストローク戦が繰り広げられる中、シナーはルブレフの打ち急ぎのミスにも助けられながらポイントを積み重ねていく。第4ゲームからは3ゲームを連取し、そのリードを守り切って1セットアップ。

 しかし第2セットに入ると徐々にリズムをつかみ始めたルブレフの強打に苦戦を強いられ、幾度となくブレークポイントを握られる苦しい展開に。それでも強化してきたサービスや粘り強いプレーでピンチを凌ぎ、両者共にキープを続けてタイブレークへと突入する。ここでは2度のミニブレークを喫して1-5とリードを許したシナーだが、1本の強烈なフォアハンドのカウンターウイナーをきっかけに形勢を逆転。怒涛の6ポイント連取でセットをもぎ取り、勝利に王手を掛けた。

 迎えた第3セットもシナーが主導権を掌握。第6ゲームでフォアのウイナーを決めてブレークに成功すると、以降はしっかりとサービスキープを継続し、2時間39分で勝利を収めた。
 
 またしてもストレートセットで試合を締めくくったシナー。イタリア人男子選手の全豪4強入りは2022年大会のマテオ・ベレッティーニ(元6位/現127位)に次ぐ2人目の快挙だ。

 だが昨年終盤から絶好調の若獅子に懸念の声が上がっているのが腹筋の状態である。というのもこの試合中、シナーは何度も同箇所を手で押さえる仕草が見られたからだ。メディカルタイムアウトを要求することはなかったものの、次戦は四大大会で初の決勝進出が懸かる大一番となるだけにどうしても心配が募る。

 しかしシナーは試合後の会見で腹部の痛みはあくまでも一時的なものだったと説明。「痛みは消えて、もう気にならない。夜になると湿度が高くなるのも関係したかもしれない。呼吸(の仕方)が原因となった可能性もあるけど、どちらにしても痛みは感じない。体調は良好で、コート上でも問題はなかった。今日は動きも良かったね」とのコメントを残した。

 話を聞く限り深刻ではないようなので一安心と言えよう。準決勝では大会連覇を狙う世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)との7度目の対決を迎えるシナー。立ちはだかる大きな壁を打ち破ることはできるのか、非常に楽しみな一戦だ。

文●中村光佑

【動画】シナーがルブレフをストレートで下した全豪オープン準々決勝ハイライト

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