海外テニス

不本意なテニスで全豪4強入りを逃したアルカラス「僕のプレーはアップダウンがあった」と敗因を語る<SMASH>

中村光佑

2024.01.25

ズベレフ(右)に押され、「自分の本来のレベルを発揮できなかった」というアルカラス(左)は、全豪オープン準々決勝で姿を消した。(C)Getty Images

 いよいよ佳境を迎えているシーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」。現地1月24日には男子シングルス準々決勝が行なわれ、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク2位)が第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同6位)に1-6、3-6、7-6(2)、4-6で敗退。自身初の同大会ベスト4進出を逃した。

 試合は予想外の展開となった。アルカラスは序盤からストローク戦で打ち急ぎのミスを連発。ズベレフの伸びのあるショットに差し込まれる場面も目立ち、第2、6ゲームでブレークを許してわずか29分で第1セットを落とす。第2セットに入ってもアルカラスはショットのズレを修正できず、第6ゲームから4ゲームを連取されて早くも絶体絶命のピンチに追い込まれた。

 迎えた第3セットでも再び先にサービスダウンを喫したアルカラス。それでもここから20歳の若獅子が怒涛の猛反撃を見せる。ズベレフのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームで起死回生のブレークバックを果たすと、タイブレークではそれまでの不調が嘘だったかのような好プレーを連発。0-2から一気に7連続ポイントを奪い、逆転勝利への望みをつないだ。

 しかしこの勢いも長くは続かなかった。迎えた第4セットでは第1ゲームでミスを立て続けに犯してブレークを献上。直後の第2ゲームでブレークバックに成功して何とか食らいついていったアルカラスだったが、終盤の第9ゲームでは強打からのネットプレーを封じられるなど思うようにポイントを重ねられず、痛恨のブレークを喫して勝負あり。3時間6分で準々決勝敗退となった。
 
「何が起こったのかわからないし、何と言ったらいいのかもわからない。今日は自分の本来のレベルを発揮できなかったのが残念だ」

 会見でそう敗戦のショックを伝えたアルカラスは敗因について「今日はこれまでの試合の立ち上がりで犯していなかったミスが続いてしまった。サービスは確率もプレースメントも悪かった。僕のプレーはアップダウンがあった」とコメント。その上で「サーシャ(ズベレフ)は素晴らしい試合をした」と簡潔に勝者を称えた。

 そして最後にはこの敗戦を成長の糧にしていきたいと力を込めた。「僕が言いたいのは、今日の試合で何が起こったのかを振り返って、チームと話し合う必要があるということだ。きっとチームの皆がありのまま感じたことを僕に伝えてくれると思う。それを踏まえて改善していきたい。もっとグランドスラム(四大大会)で勝ちたいなら、プレーを改善する必要がある。将来的には必ず良くなっていくと確信している」

 今大会はコーチのホアン・カルロス・フェレーロ氏がヒザの手術で帯同せず、いつもとは違った状況での戦いを強いられたアルカラス。今は気持ちを切り替えるのが難しいかもしれないが、次戦には良い状態で臨めるよう、少しでも心身をリフレッシュしてほしい。

文●中村光佑

【動画】アルカラスがズベレフに敗れた「全豪オープン2024」準々決勝ハイライト

【PHOTO】シーズン開幕! アルカラスはじめ「全豪オープン2024」で躍動する男子選手たちの厳選ショット!

【連続写真】アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド
 
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