男子テニス元世界ランク13位のニック・キリオス（オーストラリア）が１月24日に自身の公式インスタグラム（@k1ngkyrg1os）のストーリーズ（24時間で自動消去される投稿）を更新。その中で地元メディアによる自身の引退報道をきっぱりと否定した。

　著名テニスジャーナリストのジョセ・モルガド氏が公式X（@josemorgado）で伝えたところによると、先日豪大手メディア『The Sydney Morning Herald』は、現在ケガで長期離脱中のキリオスが同メディアへ寄稿したコラムにて「自分の心の中では、テニス選手としての時間は終わったのかもしれないと考えている部分がある。俺はそうなっても構わない」と近い将来での引退の意向を示したと報道。SNS上でもキリオスの引退発言は瞬く間に拡散されていた。

　しかし程なくしてキリオスは一連の報道がフェイクニュースであると自ら主張。今回更新したストーリーズで「俺はジムでリハビリを続けながら、これまで以上のハングリー精神を持っている。またツアーに戻ってくるよ。楽しみにしていてくれよな」と強い口調で現役続行の意志を示した。
  　またキリオスは全豪オープンでコメンテーターを務めている欧米メディア『Eurosport』に対しても、改めて待望のツアー復帰へ向けしっかりと準備を進めていくつもりだと前向きに語っている。

「この１年間、俺はひどいケガを経験した。ヒザの手術を２回受けて、それを何とか乗り越えた矢先に手首を手術した。もちろんケガを負うのは楽しいことではないし、リハビリも楽しいとは言えない。だから時折、『これ以上頑張ることに本当に価値があるのか？』と思うこともあった」

「でも俺は引退しない。そんな噂が出ているなんてナンセンスだ。また戻ってくるよ。トレーニングを続けて、人生で最高の状態になってから復帰する。やれるところまでやってみるつもりだ」

　以前は「長くプレーを続けるつもりはない」と繰り返していたキリオス。離脱期間が予想以上に長引いていることで、内に秘めていたテニスへの愛情を再確認しつつあるのかもしれない。類まれなポテンシャルと歯に衣着せぬ物言いで絶大な人気を誇る“エンターテイナー”の華やかなカムバックを、多くのファンが心待ちにしているはずだ。

文●中村光佑

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