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国内テニス

テニス日本リーグ男子は三菱電機が5年ぶりの優勝! エース清水悠太は「これが団体戦という試合ができた」<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2024.02.19

日本リーグ男子で5年ぶり4度目の優勝を飾った三菱電機チーム(上)。左下はMVPを受賞したエースの清水悠太、右下はNo.2の高橋悠介。写真:滝川敏之

日本リーグ男子で5年ぶり4度目の優勝を飾った三菱電機チーム(上)。左下はMVPを受賞したエースの清水悠太、右下はNo.2の高橋悠介。写真:滝川敏之

 実業団チームによる国内最高峰の団体戦「第38回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、東京体育館(渋谷区)で2月16日から18日にかけて開催。最終日には男女決勝および3位決定戦が行なわれ、男子決勝は三菱電機がイカイを下し、5年ぶりの優勝を飾った。

 勝負の趨勢を決めたのは、最初に行なわれたシングルスNo.2だった。ジュニア時代からライバル関係にある三菱電機の高橋悠介と、イカイの徳田廉大の対戦は、まず高橋がコースを突いたストロークで徳田を走らせてミスを誘い、6-1で第1セットを先取する。

 しかし第2セットは昨年の全日本チャンピオン徳田が一転、前に入って攻める形を作り、6-1で奪還。10ポイント先取のマッチタイブレークに入っても徳田が優勢に進め、9-5として勝負あったかに見えた。しかしここから高橋が驚異的な反撃を見せる。

「応援を見るとみんなが立ち上がって声を出してくれていた。それを背負ってやるからには僕も全力で応えないといけないと感じて、苦しい場面を乗り越えられた」と高橋。強気のテニスで4ポイントを連取して追いつくと、そこからは互いにマッチポイントが行き来する緊迫の攻防に…。そして計6本のマッチポイントを切り抜けた高橋が、自身5本目のマッチポイントをついにモノにし、貴重な1勝目をチームにもたらした。

「これだけ応援してもらって、ここで負ける自分が許せなかった。そこで覚悟を決めて1ポイントずつファイトできたこと、それだけが勝因だと思う」と言う高橋が、気持ちでもぎ取った勝利だった。
 
 これで三菱電機は俄然勢いに乗る。エース対決に登場した清水悠太は、昨年のMVPであるタイソン・キアットコウスキを相手に奮闘。前日の疲れから先にブレークを許した清水だが、すぐさまギアアップして追いつくと、鋭いリターンと積極的なネットプレーで相手にプレッシャーをかけ、第1セットのタイブレークをモノにする。

「途中からリターンが返り始めて、行けると思った」と言う清水は、第2セットも攻撃の手を緩めず、最後は豪快なスマッシュを決めて6-4でストレート勝ち。「これが団体戦という試合ができた」と胸を張った。

 優勝を決めた三菱電機は、ダブルスも相手の途中棄権により勝利し、終わってみれば3勝0敗で完勝。長谷川寛監督は「日本リーグにベストのコンディションを持ってくるのは難しく、なかなかできなかったが、今年は最高のコンディションで決勝トーナメントに入れた。あとは三菱電機の一番の強みである、応援と一緒になって戦うことができたので、それが優勝につながったと思う」と5年ぶり4回目の栄冠を振り返った。

 三菱電機は決してプロ頼みのチームではなく、ダブルスは社員選手が担い、彼らは勤務時間外に激しい練習を積んで、相手チームのプロたちと渡り合っている。だからこそ社を上げての熱烈な応援が毎回ついてくるのだ。そうして一体となった結果が、今回の優勝に結び付いた。

◆男子決勝結果
三菱電機[3-0]イカイ
S1 ○清水悠太 7-6(4) 6-4 タイソン・キアットコウスキ●
S2 ○高橋悠介 6-1 1-6 17-15 徳田廉大●
D ○福田健司/丹下将太 4-6 ret. 今井慎太郎/柚木武●

◆男子3位決定戦結果
橋本総業ホールディングス[2-1]マイシン
S1 ○リー・ツ 6-1 6-2 許育修●
S2 ○福田創楽 6-2 6-1 高橋勇人●
D ●河内一真/吉村大生 4-6 6-3 7-10 川橋勇太/末岡大和

◆男子最終順位
優勝 三菱電機
準優勝 イカイ
3位 橋本総業ホールディングス
4位 マイシン
5位 エキスパートパワーシズオカ
5位 伊予銀行
7位 ノアインドアステージ
7位 レック興発

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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