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王者ジョコビッチがムゼッティとのリベンジマッチを制しモンテカルロ8強入り!「窮地でアグレッシブなプレーができた」<SMASH>

中村光佑

2024.04.12

昨年大会の3回戦でムゼッティ(右)に敗退していたジョコビッチ(左)。今回の試合も苦しい展開を強いられるが、要所を取り切り4回戦へ駒を進めた。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)は現地11日にシングルス3回戦を実施。第1シードで世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が同24位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)を7-5、6-3で下し、5年ぶり10度目のベスト8入りを決めた。

 2013年と15年の同大会で優勝を飾っている36歳のジョコビッチ。しかし最後に8強に進出した19年以降は早期敗退が続いており、昨年も3回戦でムゼッティに6-4、5-7、4-6の逆転負けを喫していた。

 1年越しの再戦が実現した今回の試合も序盤から苦しい展開となる。巧みなドロップショットを交えたムゼッティの多彩な攻撃に対抗できず、開始直後の第1ゲームでいきなりブレークを献上。以降もジョコビッチはストローク戦でロングアウトを連発するなどピリッとしないプレーが続き、反撃の糸口をつかめずにいた。

 そんな中で迎えた第8ゲーム、ジョコビッチは40-0から粘りを見せてこの日初のブレークポイントを取得。相手のバックハンドのミスを誘ってチャンスを生かし切ると、第12ゲームでもムゼッティのサービスを破り、1時間を超える接戦の末に第1セットを先取する。

 第2セットも互いにブレークを取り合う激しい展開。両者共にプレーにムラが見られたものの、勝負どころで持ち前の正確なリターンとストロークを軸に、相手のエラーを幾度となく引き出したジョコビッチが計3度のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲームはラブゲームでキープし、1時間58分で見事リベンジを果たした。
 
 オンコートインタビューでジョコビッチは、初めに試合のキーポイントとなった第1セットについて、「3-4、40-0とされた時に観客とのちょっとしたやりとりがあったけど、そこから勢いがついた」とコメント。ムゼッティが「集中力を失っていた」ことも相まって流れをつかめたと振り返った。

 一方でジョコビッチは決して簡単な試合ではなかったとも強調。「最初の7ゲームは彼の方が良かったし、素晴らしいテニスをしていた。本当に良いショットを打って僕を走らせた」と、立ち上がりから苦戦を強いられたと明かした。

 その上でジョコビッチは、クレーならではの試合展開を熟知していたことが勝利につながったとし、最後をこう締めくくった。

「ここはクレーコートであり、状況が目まぐるしく変わる可能性もある。他のサーフェスに比べてブレークがそれほど大きなアドバンテージにはならない。第2セットでは少々ジェットコースターのような状況が見られたが、(勝てたことには)満足している。窮地に立たされた時にタフでアグレッシブなプレーができた」

 ベスト4入りを懸け、ジョコビッチは準々決勝にて年明けの男女混合国別対抗戦「ユナイテッドカップ」で敗れているアレックス・デミノー(オーストラリア/11位)と対戦する。次戦もジョコビッチのリベンジ成功なるか、注目したい。

文●中村光佑

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