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海外テニス

不振が続く“小さな巨人”シュワルツマンが2025年での引退を表明!「最後の一滴まで汗を流し続ける」<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.05.06

170センチの小柄な身体で世界8位にまでなったシュワルツマン。「以前のようにテニスを楽しめなくなった」と、来年引退する決断を下した。(C)Getty Images

170センチの小柄な身体で世界8位にまでなったシュワルツマン。「以前のようにテニスを楽しめなくなった」と、来年引退する決断を下した。(C)Getty Images

 “小さな巨人”がついにラケットを置く決心をした――。

 身長170センチと男子テニス界においては極めて小柄ながら、2020年には世界ランク8位をマークしたディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/現142位/31歳)。今シーズン、深刻な不振に喘ぐ彼は5月5日に自身のSNSを更新し、2025年にツアーを去ることを表明した。

「最後のトーナメントは自分自身で決めたい。この2024年がそのような年になるように、願わくは私が最も楽しめるトーナメントに出場する機会があることを願っています。そして2025年にアルゼンチンで、私が想像できる最も美しい終わりの時を迎えることができますように」

 2010年にプロ転向したシュワルツマンは、14年にチャレンジャー大会で5勝を挙げトップ100入りすると、翌年にはツアーで準優勝、16年にはイスタンブールでツアー初タイトルを手にし、トップ選手の仲間入りを果たした。

 17年には全米オープンでベスト8、20年には全仏でベスト4と四大大会でも活躍し、ランキングを自己最高の8位まで上げてATPファイナルズにも出場。コートを縦横無尽に走り回り、粘り強いディフェンスと鋭いカウンターで自分よりも遥かに大きい相手をなぎ倒す姿に、多くのファンが興奮し、熱烈な声援を送った。

 しかし昨年あたりから極度の不振に陥る。ツアーで早期敗退が続き、年間成績13勝25敗と落ち込んでトップ100から陥落。今年の全豪では予選1回戦で敗れ、14年全米から続いていた四大大会本戦連続出場記録が36で途絶えることとなった。今季はここまでツアー本戦で0勝6敗と白星がなく、予選敗退も目立つシュワルツマン。Xには苦しい胸の内を以下のように綴っている。
 
「コートの隅々、1秒1秒のトレーニング、毎ポイントの競い合い、全ての瞬間が私にとってこの上ない幸せでした。それらはあまりにも激しかったので、今日それを維持するのは難しい。それらの美しい瞬間は全て、今日では重みを伴うものとなり、十分に楽しみ続けることは難しいと感じています。

 一方では、多くのものを与えてくれた人生と別れるのはあまりにもつらい決断ですが、他方では、テニスをしている自分がどれほど幸せだったかを思うと、コートの中でも外でもいつものように笑顔でいたいと思います。しかし今やその笑顔を見つけるのは難しい。私の中にある競争心のせいで、以前のようにテニスを楽しんだり、プレーしたり、旅行したりできなくなりました」

 こうして苦渋の決断を下したシュワルツマン。“2025年のアルゼンチン”というのは、例年2月に開催される「コルドバ・オープン」(コルドバ/ATP250)と「アルゼンチン・オープン」(ブエノスアイレス/ATP250)になろう。シュワルツマンの功績からすれば、たとえランキングを落としていてもワイルドカード(主催者推薦枠)が付与されるのはまず間違いない。

「最後の一滴まで汗を流し、最後の1ポイントまでプロとしてコートでプレーし続ける」と綴ったシュワルツマン。その瞬間まで、彼のプレーを1つでも多く目に焼き付けておきたい。

構成●スマッシュ編集部

【画像】来年引退することを表明したシュワルツマンのX画面

【PHOTO】「ジャパンオープン2023」シュワルツマン、西岡、ズベレフなどスター選手の厳選フォト!!

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