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吉冨愛子が伝授!「クロスへのアングルスピン」のポイントとは?【実践スピン講座4】<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.05.18

打点を腰の高さに取り、ボールの右側に面を入れてこすり上げる(4コマ目)。打球後は早めにヒジを畳み、ヘッドを小さい弧で回すようにすると(5~7)、スピンでクロスに短く沈められる。写真:THE DIGEST写真部

 テニスのラリーにおいて、トップスピンは高く跳ねさせて相手を押し込んだり、厚く叩いてエースを取ったり、様々な用途に使えるショットだ。このシリーズではフォアハンドを想定し、実戦で特に役立つ5種類のトップスピンについて、日本女子有数のトップスピナーとして鳴らした吉冨愛子プロに打ち方を伝授してもらう。第4回は「クロスへのアングルスピン」のポイントだ。

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 デュースコートのサイドライン近くから、クロスの浅い所に角度をつけて落とすのが「アングルスピン」です。相手をコートの外に追い出す効果があります。

 うまくコントロールするには、ボールのやや右側にラケット面を入れるのがコツです。右側を捉えてこすり上げると、クロスに送りやすくなるとともに、ボールに少しサイドスピンが加わるので、外に逃げていく弾道になります。
 
 スイングはあまり大きく振らず、小さめの弧でヘッドを回しましょう。ヒジを支点にしながら手首の返しも使い、ヘッドをコンパクトに立てたら、早めに畳み込みます。あえて腕を伸ばさないことで、ワイパーの弧を小さくでき、ヘッドをシャープに回せるので、ボールを短く沈めやすくなるのです。

 肩を支点に振ると弧が大きくなりすぎ、飛距離を抑えられないので要注意です。肩支点のダイナミックなスイングは、強く深く打ちたい時に使うべきで、アングルスピンには適しません。

 また、打点を落とすと、ボールを一度持ち上げてまた沈める必要があるので、難易度が高くなります。腰ぐらいの高さで捉えるのが、うまくコントロールするコツです。

【解説者プロフィール】吉冨愛子/よしとみあいこ
1993年、愛知県生まれ。インターハイ、インカレを制し、早稲田大学卒業後にプロ転向。女子選手離れした強烈なトップスピンとコートを広く使った展開力を武器に、全日本選手権ベスト8など活躍。ダブルスも得意にし、ユニバーシアード日本代表として銅メダル獲得、ITFツアー優勝8回などの実績を残す。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年8月号より再編集

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