思うようにプレーできないイライラから、力任せに強打したボールをスタンドの女性客に当ててしまったテレンス・アトマネ(フランス/世界ランキング121位)が現地28日、SNSを通じて自身の愚行を謝罪した。
事件は現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」の初日(26日)に起きた。
第1と第2セットを取り、勝利まであと1セットと迫ったアトマネ。だが、第3セットをタイブレークの末に失うと、第4セットでも相手にリードを許す苦しい展開へと陥る。するとすでにポイントを終えているボールを怒りに任せて強打。ボールは物凄い勢いで女性客の足を直撃したのである。
試合の行なわれていた12番コートはベースラインから客席までの距離が短い小さなコート。対戦相手のセバスチャン・オフナー(オーストリア/同45位)は「狭いコートであんな行為をしたら罰を受けなければならない。あのボールは普通に打ったのとは違う。フルパワーだった」と即座にアトマネの失格を要求した。
だが、主審とスーパーバイザーは長い協議の末、失格処分はおろかポイントペナルティも科さず。アトマネに警告のみを与えるだけで試合を続行させるという驚きの決断を下したのである。結局3時間35分に及んだ戦いは、フルセットの末にアトマネの敗退となったが、なんとも後味の悪い試合となった。
試合が終わると各国メディアがこの事件に飛びついた。アトマネの危険行為を非難するとともに、どうみても甘い判定を疑問視したのである。
アトマネは謝罪文の中で「セバスチャン(対戦相手)が僕にボールを送り返してきた時、フラストレーションのためボールをネットに打ち込もうとした、と同時に(ラケットの)ストリングが切れてしまい自分のボールがコートを横切り観客の足に当たったのを見た。すぐに謝りに行こうとしたが自分の行動にショックを受けて混乱していたため、何のリアクションも浮かばなくなった」と当時の状況を説明した。
そして今回の行為は意図的なものではないと否定したうえで「感情の爆発をお許しください」と謝罪したのである。
アトマネは現在、直接謝罪して自身のサイン入りラケットを提供するため、エージェントや大会主催者を通じて被害女性と連絡を取ろうとしている。また、今後大会側が課してくる罰金についても受け入れるつもりで、「私のメッセージが届くことを心から願っています」と締めくくっている。
なお事故当時、失格を要求するオフナーに対して「(ボールの当たった)女性は最初痛かったけど、今は大丈夫だと言っていたから失格にするほどのものではない」と説明していた大会側からは、その後今回の件に関するコメントは出されていない。
ネットメディア『tennis world』では、「ローランギャロスでのスキャンダル:アトマネの狂った行動はフランス人だから許されるのか?」と報道。『AP通信』は「昨年の全仏オープンでは加藤未唯が誤ってボールガールの首にボールを当ててしまったが、その時は失格を言い渡された」と今回の甘い判定と比較するなど疑問視している。
構成●スマッシュ編集部
【動画】怒りに任せてアトマネが観客席にボールを打ち込んだ問題の映像
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第1と第2セットを取り、勝利まであと1セットと迫ったアトマネ。だが、第3セットをタイブレークの末に失うと、第4セットでも相手にリードを許す苦しい展開へと陥る。するとすでにポイントを終えているボールを怒りに任せて強打。ボールは物凄い勢いで女性客の足を直撃したのである。
試合の行なわれていた12番コートはベースラインから客席までの距離が短い小さなコート。対戦相手のセバスチャン・オフナー(オーストリア/同45位)は「狭いコートであんな行為をしたら罰を受けなければならない。あのボールは普通に打ったのとは違う。フルパワーだった」と即座にアトマネの失格を要求した。
だが、主審とスーパーバイザーは長い協議の末、失格処分はおろかポイントペナルティも科さず。アトマネに警告のみを与えるだけで試合を続行させるという驚きの決断を下したのである。結局3時間35分に及んだ戦いは、フルセットの末にアトマネの敗退となったが、なんとも後味の悪い試合となった。
試合が終わると各国メディアがこの事件に飛びついた。アトマネの危険行為を非難するとともに、どうみても甘い判定を疑問視したのである。
アトマネは謝罪文の中で「セバスチャン(対戦相手)が僕にボールを送り返してきた時、フラストレーションのためボールをネットに打ち込もうとした、と同時に(ラケットの)ストリングが切れてしまい自分のボールがコートを横切り観客の足に当たったのを見た。すぐに謝りに行こうとしたが自分の行動にショックを受けて混乱していたため、何のリアクションも浮かばなくなった」と当時の状況を説明した。
そして今回の行為は意図的なものではないと否定したうえで「感情の爆発をお許しください」と謝罪したのである。
アトマネは現在、直接謝罪して自身のサイン入りラケットを提供するため、エージェントや大会主催者を通じて被害女性と連絡を取ろうとしている。また、今後大会側が課してくる罰金についても受け入れるつもりで、「私のメッセージが届くことを心から願っています」と締めくくっている。
なお事故当時、失格を要求するオフナーに対して「(ボールの当たった)女性は最初痛かったけど、今は大丈夫だと言っていたから失格にするほどのものではない」と説明していた大会側からは、その後今回の件に関するコメントは出されていない。
ネットメディア『tennis world』では、「ローランギャロスでのスキャンダル:アトマネの狂った行動はフランス人だから許されるのか?」と報道。『AP通信』は「昨年の全仏オープンでは加藤未唯が誤ってボールガールの首にボールを当ててしまったが、その時は失格を言い渡された」と今回の甘い判定と比較するなど疑問視している。
構成●スマッシュ編集部
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