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【テニスギア講座】ラケットのカラーリングには意味がある!? 好みのモデルを選ぶのに役立つシグナルイメージ<SMASH>

松尾高司

2024.06.29

様々なカラーリングがあるテニスのラケット。メーカーにもよるが、赤、黄、青などのカラーによって大まかな適合スタイルがうかがえるものだ。写真:スマッシュ写真部、(C)Getty Images

様々なカラーリングがあるテニスのラケット。メーカーにもよるが、赤、黄、青などのカラーによって大まかな適合スタイルがうかがえるものだ。写真:スマッシュ写真部、(C)Getty Images

 今回のテーマは「テニスラケットのカラーリング」です。近年、イメージカラーによってラケットの個性や適応プレーヤーを示す傾向があります。今回はその読み取り方について説明しましょう。

 ラケットがウッド系からカーボン系に移り変わったのが、今からおよそ40年前の1980年代前半。カーボン系ラケットのイメージは「黒」で、プロケネックス『ブラックエース』、スポルディング『GC20』などの超大ヒットモデルが並びますが、ほぼ全てが黒ベースにピンストライプなどのアクセントカラーでした。

 そのイメージを今も残しているのが、プリンス『グラファイト』ですね。それぞれの時代に適応しながら、伝説のラケットとして生き残っています。

 当時もカラーコスメのモデルはありましたが、どれも「初中級クラス向け」の感じで、本格モデルは、みんな黒! それが強さの象徴のような雰囲気で打ち出されていました。

 黒以外のカラーがそのモデルのアイデンティティーを示すようになったきっかけは、ヘッド『プレステージ』の「赤」でした。最初のモデルは深い茶赤でしたが、以降メタリックレッドが『プレステージ』の紋章となります。

 また86年にカラーで鮮烈な印象を与えたのは、プリンス『スペクトラムコンプ』の「純白」。これがきっかけで、ハイグレードモデルにもグレーやシルバーという塗装が増えますが、「このモデルはこの色!」という決め込みモデルは現れません。
 
 そこに登場したのがバボラです。ストリングメーカーとして長い実績を誇るバボラ社が、ついにラケットの開発に乗り出し、『ピュアドライブ』が完成したのが94年。モヤやロディックなどの活躍により、『ピュアドライブ』は世界的にヒットし、99年、日本に上陸した時には、日本テニス市場にも「青いラケット旋風」が吹き荒れます。

 これが現在の「シグナルシステム」……つまりフレームのカラーと適応スタイルとの関連性をイメージ化した始まりだったと言っていいでしょう。

 青の次は「黄色」です。ナダルの台頭によって『アエロプロドライブ』(現ピュアアエロ)の黄色いラケットが大流行。以降、何度もモデルチェンジを繰り返しつつも、イメージカラーは今も黄色です。

 この流れから「ドライブ(パワー)系は青、スピンは黄」のイメージが世界に浸透し、最後に加わった薄ラケタイプ『ピュアストライク』は「赤の系統」に乗ることになりました。
 
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