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【1日3分間のメンタル強化法 第14回】判断や決断で後悔しないために「真・善・美」の考え方を学ぼう<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.06.30

直観に頼ることも大切だが「真・善・美」を思い出して自問自答して決断すれば、テニスだけに限らず人生をも豊かになる。※写真はイメージ。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

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 私たちは「生きて行く途中」で、色々な"判断や決断"をしています。スポーツ競技のように即決が求められるもの、また時間をかけて自分の将来を決めることもあるでしょう。

 日常的には、今日の行動予定・ランチメニュー・人との会話など、人は1日に数十回、判断や決断をしていると言われています。

 これらの"判断や決断"をする時に、直感に頼るのも悪くはありませんが、できるなら裏付けとなる考え方(基準)があった方がいいと思っています。そこで今回は「真・善・美」について私の独自の解釈も加えて説明したいと思います。

 この「真・善・美」という考えは元々ドイツから伝わってきた哲学用語で、人間の理想や追求目標となる普遍的な価値観とされています。
 
「真」は学問や知性。「善」は道徳や意思。「美」は芸術や感性。

 この3つの理想の姿を示しています。つまり、「真」は考え方、「善」は行動、「美」は品格と関連しているということです。逆の言葉と対比させてみるとわかりやすいかもしれません。

「真→偽」「善→悪」「美→醜」となります。判断や決断をする時に、この「真・善・美」を元に『自問自答』を行なってみてください。

 その考え方は「真」と言えるだろうか?→自分の考え方は誠実で正しいものであるだろうか。

 その行ないは「善」と言えるだろうか?→自分がやろうとしていることは人に喜んでもらえることだろうか。

 その結果は「美」と言えるだろうか?→成し終えた時、それを美学として人に語り継いでもらえるだろうか。

「美」は少し独特ですが、私の美学として『願わくば、見事に生き抜いたという自負心を持って人生を終わりたい』と思っています。

 今回は「人間の価値観や自分の生き方論」となりましたが、あなたのテニスキャリアにも役立つのではないかと思っています。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2021年5月号から抜粋・再編集

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