現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」の女子シングルスでベスト8進出を逃した元世界10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現135位)が、4回戦後の記者会見に登場。今大会がキャリア最後の舞台になることが注目されていた同郷の元世界王者アンディ・マリー(現113位)との混合ダブルスを棄権したことについて触れ、「正しい判断だった」と主張した。
既報の通りマリーとラドゥカヌのミックスダブルス出場は大会中の現地3日に発表され、そこがマリーにとっての本当のウインブルドンラストマッチとなるはずだった。だが6日にLTA(ローンテニス協会)がラドゥカヌの手首のコンディション不良を理由に同ペアが棄権したと報告。詳細についてラドゥカヌは「朝起きたら右手首が硬くなっていたため、棄権を決断した」と説明していた。
ラドゥカヌといえば当時18歳で四大大会初優勝を達成した2021年の全米オープン以降は受難続きの日々を送ってきた。昨シーズンも両手首と足首の負傷に悩まされ、今年1月に約9カ月ぶりの実戦復帰を果たしてからも出場大会でなかなか結果を出せずにいた。
だが今は長かったトンネルをようやく抜け出しつつある。2年ぶりのウインブルドン参戦となった今大会は、初戦から3回戦までいずれもストレート勝ちを収めてベスト16へ進出。ラドゥカヌが勝ち上がっていたことや、彼女が昨年手首の手術を経験したことを考えると、混合ダブルスの棄権は自然な流れであったように思える。
ただラドゥカヌによれば、自身が混合ダブルス棄権の旨を報告した時のマリーの反応は「明らかにがっかりしていた」とのこと。後にマリーの母であるジュディ・マリー氏も自身のX(@JudyMurray)でラドゥカヌ/マリーの出場辞退を伝えたスポーツ番組司会者のマーカス・バックランド氏の投稿に対し、ラドゥカヌへの批判の意を込めて「驚いたわ」とリプライするなど、SNS上でも物議を醸した。
しかし当のラドゥカヌは特に意に介しておらず、「棄権の判断は正しかったと思う」と主張する。続けてこう発言した。
「気分は良かったけど、昨日の朝は(手首の)痛みで目が覚めた。私は自分自身と自分の身体を優先しなければならない。だからあれは正しい決断だったと思うし、それを再確認したわ。
(混合ダブルスは)私がずっとやりたいと思っていたことなので、難しい決断だったし、もちろん、アンディの最後の試合をする機会を奪いたくはなかった。でも結局のところ、私と同じような状況に立たされたら多くの選手も同様に自分の身体を優先して同じ判断を下したと思うわ」
おそらくラドゥカヌがマリーとのダブルスを辞退したのは、自身が16強まで勝ち上がったのが予想外だった節もあると思われるが、とにかく無理だけはしたくなかったのだろう。一方で、マリーのウインブルドンがなんとなくすっきりしない形で幕を閉じることとなってしまい、それに対する批判が起こってしまったのも無理はない。ひとまず、今回の騒動には様々な事情が絡んでいたことを理解してあげるべきではないだろうか。
文●中村光佑
【PHOTO】引退を表明したアンディ・マリーが兄ジェイミーとの最後のダブルスに出場!試合後には涙のセレモニー!!
【PHOTO】ラドゥカヌはじめウインブルドン2024で存在感を放つ女子トップ選手の厳選ショット
【関連記事】ウインブルドンの英雄マリーがダブルスに終止符!「プレーを続けたいのに、それができないのがつらい」<SMASH>
既報の通りマリーとラドゥカヌのミックスダブルス出場は大会中の現地3日に発表され、そこがマリーにとっての本当のウインブルドンラストマッチとなるはずだった。だが6日にLTA(ローンテニス協会)がラドゥカヌの手首のコンディション不良を理由に同ペアが棄権したと報告。詳細についてラドゥカヌは「朝起きたら右手首が硬くなっていたため、棄権を決断した」と説明していた。
ラドゥカヌといえば当時18歳で四大大会初優勝を達成した2021年の全米オープン以降は受難続きの日々を送ってきた。昨シーズンも両手首と足首の負傷に悩まされ、今年1月に約9カ月ぶりの実戦復帰を果たしてからも出場大会でなかなか結果を出せずにいた。
だが今は長かったトンネルをようやく抜け出しつつある。2年ぶりのウインブルドン参戦となった今大会は、初戦から3回戦までいずれもストレート勝ちを収めてベスト16へ進出。ラドゥカヌが勝ち上がっていたことや、彼女が昨年手首の手術を経験したことを考えると、混合ダブルスの棄権は自然な流れであったように思える。
ただラドゥカヌによれば、自身が混合ダブルス棄権の旨を報告した時のマリーの反応は「明らかにがっかりしていた」とのこと。後にマリーの母であるジュディ・マリー氏も自身のX(@JudyMurray)でラドゥカヌ/マリーの出場辞退を伝えたスポーツ番組司会者のマーカス・バックランド氏の投稿に対し、ラドゥカヌへの批判の意を込めて「驚いたわ」とリプライするなど、SNS上でも物議を醸した。
しかし当のラドゥカヌは特に意に介しておらず、「棄権の判断は正しかったと思う」と主張する。続けてこう発言した。
「気分は良かったけど、昨日の朝は(手首の)痛みで目が覚めた。私は自分自身と自分の身体を優先しなければならない。だからあれは正しい決断だったと思うし、それを再確認したわ。
(混合ダブルスは)私がずっとやりたいと思っていたことなので、難しい決断だったし、もちろん、アンディの最後の試合をする機会を奪いたくはなかった。でも結局のところ、私と同じような状況に立たされたら多くの選手も同様に自分の身体を優先して同じ判断を下したと思うわ」
おそらくラドゥカヌがマリーとのダブルスを辞退したのは、自身が16強まで勝ち上がったのが予想外だった節もあると思われるが、とにかく無理だけはしたくなかったのだろう。一方で、マリーのウインブルドンがなんとなくすっきりしない形で幕を閉じることとなってしまい、それに対する批判が起こってしまったのも無理はない。ひとまず、今回の騒動には様々な事情が絡んでいたことを理解してあげるべきではないだろうか。
文●中村光佑
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