現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」は現地7月9日に男子シングルス準々決勝が行なわれ、センターコート第1試合に第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が登場。第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/同5位)と対戦したが、7-6 (7)、4-6、6-7(4)、6-2、3-6で敗れ、2年連続のベスト4入りを逃した。
6月にイタリア人選手として史上初となる世界1位の座に就いた22歳のシナー。今大会は21年ウインブルドンで準優勝した同胞のマテオ・ベレッティーニ(元6位/現59位)との2回戦を突破すると、ミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/52位)、ベン・シェルトン(アメリカ/14位)の実力者2人を破って8強入りを果たしていた。
準々決勝で顔を合わせたメドベージェフには過去5勝6敗と負け越しているが、今年1月の全豪オープン決勝を含め直近5試合はいずれもシナーが勝利している。12度目の対決を迎えた今回は立ち上がりから激しい打ち合いが繰り広げられ、両者一歩も譲らないままタイブレークへ突入。ここでは先にセットポイントを握られたシナーだったが、最後は相手のミスに助けられる形で第1セットを奪取した。
第2セットではシナーの動きのキレが落ち、第2ゲームから立て続けに3ゲームを献上。そのまま1セットオールとされると、第3セットではブレークを許した第3ゲーム終了後に体調不良によるメディカルタイムアウトを要求。約10分の処置を経てプレーを続行し、終盤の第10ゲームでは値千金のブレークバックを果たす。だがこの日2度目のタイブレークは落とし絶体絶命のピンチに立たされた。
それでも第4セットではようやく息を吹き返し、第2ゲームから5ゲームを連取して2セットオールに持ち込む。だがシナーの反撃もここまで。第4ゲームで痛恨のサービスダウンを喫すと、リターンゲームではチャンスを見出せず、4時間の激闘の末に準々決勝敗退となった。
試合後の会見で22歳の新王者は試合前から体調が優れなかったとし、「今朝の段階からすでに気分が良くなかった」とコメント。続いて勝者を素直に称えつつ、ギリギリの状況で試合を戦い抜かなければならなかったことを明かした。
「彼(メドベージェフ)はとても賢くプレーしたと思うし、いいテニスをしていた。それだけだ。僕はコートを離れたくなかったが離れた。ドクターから少し時間を置いた方がいいと言われたんだ。体力的に苦しかったけど、今日は持てる力で戦おうと頑張った」
「吐き気はなかったけど、かなりめまいがしたから、コートに戻るまで少し時間がかかった。コートを離れたあの場面は、一番つらい時間だった。でもコートに戻ってからはベストを尽くした」
王者としてのプライドもあるのか、「途中棄権はしたくなかった」とシナーは言う。「観客が僕を後押ししてくれて本当に助かった。四大大会の準々決勝で棄権なんてしたくないからね」と締めくくった。
今季だけでツアー4勝を挙げているシナー。シーズンも後半に差し掛かる中で疲労が蓄積しているだろうことは想像に難くない。単複で出場予定のパリ五輪に向け、万全のコンディションを整えてほしいところだ。
文●中村光佑
【動画】ウインブルドン準々決勝、シナー対メドベージェフの激闘ハイライト
【PHOTO】シナー、メドベージェフはじめ、ウインブルドン2024で存在感を放つ男子トップ選手の厳選ショット!
【PHOTO】シナーが悲願の全豪オープン優勝! メドベージェフとの決勝厳選ショット!
6月にイタリア人選手として史上初となる世界1位の座に就いた22歳のシナー。今大会は21年ウインブルドンで準優勝した同胞のマテオ・ベレッティーニ(元6位/現59位)との2回戦を突破すると、ミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/52位)、ベン・シェルトン(アメリカ/14位)の実力者2人を破って8強入りを果たしていた。
準々決勝で顔を合わせたメドベージェフには過去5勝6敗と負け越しているが、今年1月の全豪オープン決勝を含め直近5試合はいずれもシナーが勝利している。12度目の対決を迎えた今回は立ち上がりから激しい打ち合いが繰り広げられ、両者一歩も譲らないままタイブレークへ突入。ここでは先にセットポイントを握られたシナーだったが、最後は相手のミスに助けられる形で第1セットを奪取した。
第2セットではシナーの動きのキレが落ち、第2ゲームから立て続けに3ゲームを献上。そのまま1セットオールとされると、第3セットではブレークを許した第3ゲーム終了後に体調不良によるメディカルタイムアウトを要求。約10分の処置を経てプレーを続行し、終盤の第10ゲームでは値千金のブレークバックを果たす。だがこの日2度目のタイブレークは落とし絶体絶命のピンチに立たされた。
それでも第4セットではようやく息を吹き返し、第2ゲームから5ゲームを連取して2セットオールに持ち込む。だがシナーの反撃もここまで。第4ゲームで痛恨のサービスダウンを喫すと、リターンゲームではチャンスを見出せず、4時間の激闘の末に準々決勝敗退となった。
試合後の会見で22歳の新王者は試合前から体調が優れなかったとし、「今朝の段階からすでに気分が良くなかった」とコメント。続いて勝者を素直に称えつつ、ギリギリの状況で試合を戦い抜かなければならなかったことを明かした。
「彼(メドベージェフ)はとても賢くプレーしたと思うし、いいテニスをしていた。それだけだ。僕はコートを離れたくなかったが離れた。ドクターから少し時間を置いた方がいいと言われたんだ。体力的に苦しかったけど、今日は持てる力で戦おうと頑張った」
「吐き気はなかったけど、かなりめまいがしたから、コートに戻るまで少し時間がかかった。コートを離れたあの場面は、一番つらい時間だった。でもコートに戻ってからはベストを尽くした」
王者としてのプライドもあるのか、「途中棄権はしたくなかった」とシナーは言う。「観客が僕を後押ししてくれて本当に助かった。四大大会の準々決勝で棄権なんてしたくないからね」と締めくくった。
今季だけでツアー4勝を挙げているシナー。シーズンも後半に差し掛かる中で疲労が蓄積しているだろうことは想像に難くない。単複で出場予定のパリ五輪に向け、万全のコンディションを整えてほしいところだ。
文●中村光佑
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